• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

発話に対するキャラクタ重畳機能の実現

研究課題

研究課題/領域番号 15K12179
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐藤 理史  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30205918)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードことばのキャラクタ性 / ことばと個性 / 発話
研究実績の概要

本年度は以下の研究を行なった。
1.研究の準備段階として、既存の発話データベースを分析し、発話のどの部分に発話者の個性を反映させることができる自由度があるかを調査した。これまで、機能語に発話者の個性が反映されやすいことがわかっていたが、それ以外にも、内容語の選択、構造の選択等、多岐に渡っていることが判明した。
2.小説から登場人物の発話は抜き出した小説発話データベースを新たに作成した。対象小説としては、森博嗣の犀川・萌絵シリーズを選び、この2名の主要人物の発話をそれぞれ1500発話ずつ抜き出し、データベース化した。
3.作成した小説発話データベースに対し、それぞれの登場人物の個性と結びついていると考えられる表現をピックアップし、それらと登場人物の個性の関係を整理した。具体的には、登場人物の個性を、キャラクタ設定(大学教員、お嬢様)、性格類型(論理的、浮世離れ、上品、気が強い、甘えん坊)、発話スタイル(理路整然、丁寧語多用、辛辣、子供っぽい)という3段階で階層的に捉え、発話スタイルの下に、それに固有な表現を整理した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初予定していた発話データベースの利用に制限があることが判明したため、方向を転換し、新たに小説の発話を対象としたデータベースを作成することとした。このため、計画の一部修正を余儀なくされた。また、このデータベースの分析を進める過程で、発話者の個性は、発話の表現の選択(how to say)だけでなく、発話内容の選択(what to say)にも寄与することが明らかになりつつある。このため、研究戦略・研究方法の再考が必要となった。

今後の研究の推進方策

当初の計画を変更し、新たに作成した小説発話データベースを中心に、小説発話と登場人物の個性の関係について分析を進め、ある特定の個性を持つ人物の発話を生成するモデルを作り、それをプログラムとして実装する方向で研究を進めたい。発話者の個性は、原理的には、what to sayとhow to sayのすべての過程に寄与しうる。しかしながら、実装可能な計算モデルにおいては、それらをうまく限定する必要がある。おそらく、個性というものをどのようにモデル化し、どのような粒度で分節化するかという点が、最も重要な検討事項となる。本研究の期間内では、限定された小説登場人物に的を絞り、その後の発展の出発点となる計算モデルを作るところまで進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究が当初計画通りに進まなかったため、研究機材の購入、研究補助者(アルバイト)の雇用、研究発表等が計画と齟齬をきたすこととなった。

次年度使用額の使用計画

新しい計画に沿って、研究機材の購入と研究補助者(アルバイト)の雇用を進める予定である。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi