森林などの生態系は光合成により、温室効果ガスであるCO2を大気から吸収しており、その量を正確に把握することは、将来の地球の気候変化を予測する上で非常に重要である。その光合成は太陽光を利用するが、利用されなかった光エネルギーの一部(2%まで)は、クロロフィル蛍光として放出される。本研究では、光合成の直接的な指標であり、非接触で測定可能な太陽光誘発クロロフィル蛍光(SIF)を新たに活用し、岐阜県高山市の落葉広葉樹林の光合成量の空間分布を明らかにすることを目的とし、既存分光放射データによる鉛直方向の分割観測と、新規の高精度分光放射計による鉛直分布観測を行った。
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