大気中のオゾンは活性なBr化合物と反応することで激減する。そのため,活性なBr化合物の起源と生成機構を解明することは,大気環境を理解する上で重要である。本研究では,Br化合物の主要な起源と考えられる海塩由来Brの大気エアロゾル中での存在形態を解明し,Brの大気中での挙動を明らかにすることを目指した。研究の結果、大気エアロゾルに存在するBrは、化学反応により、約半分がエアロゾルから大気へガス状物質として拡散し、残りは、水溶性成分としてBr―が主として存在し、水不溶性Br成分も約5%存在することが明らかとなった。今後、化学形態の変化に影響する因子を明らかにする必要がある。
|