研究課題
本研究の目的は、アイスコア中で結晶主軸集中と空隙形状の鉛直軸方向への幾何学的な異方性の結果として起こるマイクロ波の複屈折の強度を連続計測する手法の開発・評価・確立することである.そして、今後のアイスコア解析の標準手法としての確立をめざす.当初計画に沿い、計測系の部品調達、アセンブル、機器制御プログラムの作成を開始した。資試料の誘電率の評価を目的としたマイクロ波共振系を先行して試作し、比較的薄い資試料(10-20cm厚)について、15-20ギガヘルツ前後の周波数で誘電率を評価する体制を初年度に整えた。この予備計測系で用いている機器類の大部分は、本研究が最終的に目的とする計測系と共通である。この性能評価と応用計測を、南極氷床やグリーンランド氷床で採取されたアイスコアを用いて実施した.当初計画に沿い、ルーチン的な計測作業は実験補助者を雇用して実施した.計測系の部品調達として、ミリ波周波数帯域用に、導波管等の構成部品を調達した.また、装置系を配置するための架台を作成した.アセンブルとして、実験室系で、上記機器群の空間的な組み上げと据え付けをおこなった.そのための部品の設計と製作を要した.機器制御プログラムの作成として、マイクロ波信号を掃引し、その間に出現する反射信号を検知・記録するプログラムを作成した.ただし、当初予定したデータ処理プログラムの作成として、電磁波を掃引発信し、周波数の関数として検波した信号の抑揚から、複屈折強度を算出するプログラムを書き下ろす作業には至っていない.性能評価として、計測とデータ処理作業を、雪・フィルン・アイスコアを用いた対して単発測定としておこなう作業は2年目に実施する.資試料の整形体制や、連続計測体制、それに、比較的薄い資試料の評価体制を整えるところまで、初年度は到達した。
2: おおむね順調に進展している
進捗が着実である部分と、初年度としては実施できていない部分がある。研究の目的に向けた研究作業として、着実な部分と、実施できていない部分(下記)を総合的にみれば、順調に進展していると自己評価する。当初計画に沿い、計測系の部品調達、アセンブル、機器制御プログラムの作成を開始した。資試料の誘電率の評価を目的としたマイクロ波共振系を先行して試作し、比較的薄い資試料(10-20cm厚)について、15-20ギガヘルツ前後の周波数で誘電率を評価する体制を初年度に整えた。この予備計測系で用いている機器類の大部分は、本研究が最終的に目的とする計測系と共通である。この性能評価と応用計測を、南極氷床やグリーンランド氷床で採取されたアイスコアを用いて実施した.当初計画に沿い、ルーチン的な計測作業は実験補助者を雇用して実施した.計測系の部品調達として、ミリ波周波数帯域用に、導波管等の構成部品を調達した.また、装置系を配置するための架台を作成した.アセンブルとして、実験室系で、上記機器群の空間的な組み上げと据え付けをおこなった.そのための部品の設計と製作を要した.機器制御プログラムの作成として、マイクロ波信号を掃引し、その間に出現する反射信号を検知・記録するプログラムを作成した.当初予定したデータ処理プログラムの作成として、電磁波を掃引発信し、周波数の関数として検波した信号の抑揚から、複屈折強度を算出するプログラムを書き下ろす作業には至っていない.性能評価として、計測とデータ処理作業を、雪・フィルン・アイスコアを用いた対して単発測定としておこなう作業は2年目に実施する.資試料の整形体制や、連続計測体制、それに、比較的薄い資試料の評価体制を整えるところまで、初年度は到達した。
資試料の整形体制や、連続計測体制、それに、比較的薄い資試料の評価体制を整えるところまで、初年度は到達した。今後の推進方策としては、実施すべき実験や計測を着実に実施することが本質的に重要であると認識している。今後は、これまでに構築をしている計測系を用いて、単発計測とスキャン計測の試行実験をくりかえす.当初予定したデータ処理プログラムの作成として、電磁波を掃引発信し、周波数の関数として検波した信号の抑揚から、複屈折強度を算出するプログラムを書き下ろす.性能評価として、計測とデータ処理作業を、雪・フィルン・アイスコアを用いた対して単発測定としておこなう作業を今後実施する.資試料に対する透過波法と反射波法の両方を用いた実験をおこなう.この年度は、特に、繰り返しのデータ取得が重要となり、研究補助者による支援を要する.周波数帯毎に結果の比較が可能になるため、周波数帯が与える計測結果への影響を評価し、今後のルーチン的なアイスコア計測に適した周波数帯の検討をおこなう.結果をみて、さらに低周波や高周波への拡張試験が必要・有意義であるかどうかの評価・判断をする.2年次は、応用計測により軸足をおくことができる.既存機器からの計測プロダクト(結晶主軸方位分布スキャンとX 線吸収マイクロトモグラフィー等)との並行計測や比較をおこなう.研究経過を関連学会で報告するほか、論文化をする.なお、本研究は、ドームふじアイスコアの共同研究体制「ドームふじアイスコアコンソ-ティアム」の連携体制のなかでおこなわれる.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件)
Journal of Glaciology
巻: 該当なし ページ: 1-26
10.1017/jog.2016.16
The Cryosphere
巻: 10 ページ: 837-852
10.5194/tc-10-837-2016
Earth and Planetary Science Letters
巻: 445 ページ: 105-114
10.1016/j.epsl.2016.01.034
Climate of the Past
巻: 11 ページ: 1395-1426
10.5194/cp-11-1395-2015
巻: 11 ページ: 1127-1137
10.5194/cp-11-1127-2015