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2016 年度 実施状況報告書

炭酸塩の新しい同位体分子温度指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K12196
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

坂井 三郎  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 生物地球化学研究分野, 技術研究員 (90359175)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードレーザー分光 / 二酸化炭素
研究実績の概要

本研究では、重い同位体13Cと18Oからなる二酸化炭素13C-18O-18O分子の存在量が、CO2生成時の温度に”強い”依存性があることに着目し、炭酸塩(化石など)をリン酸で分解して生じる二酸化炭素を用いて、地球史解読における新しい同位体分子温度指標を開発することを目標とする。その手段として、中赤外領域に存在する13C18O18Oの吸収波長帯に発振波長を持つ最新の半導体レーザーと光計測技術による定量システムを構築する。
中赤外域における13C-18O-18O分子の最適波長域の絞り込みが進み、その波長帯における量子カスケードレーザーの製作が可能なことを確認した。次のステップとして、絞り込んだ波長域の中から、量子カスケードレーザーで波長スキャンが可能な狭い領域における最適波長域の最終的な絞り込みを進めなければならない。特に、13C18O18Oのみならず12C16O16O、12C18O16O、13C16O16Oの吸収ピークが含まれる領域を探索することが前提となる。2016年時点で公表されているHITRANデータベースに13C18O18Oの吸収波長データが含まれていないため、直接HITRAN構築チームからの情報提供を依頼し、その調査結果を待っている段階である。他の同位体分子種については、Hitran-PCによるシミュレーションで候補波長域が選定済みである。これと並行して、量子カスケードレーザーの波長スキャンを制御するためのハードウェアおよびソフトウェア製作を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

HITRANデータベースに13C18O18Oの吸収波長データが含まれていないために、直接HITRAN構築チームからの情報提供を求める必要があり、予想以上に時間を要しており、量子カスケードレーザーの導入を行わなかったため。

今後の研究の推進方策

HITRAN構築チームからの情報提供を迅速に受けるように先方との議論を加速させる。情報提供を受け次第、量子カスケードレーザーとソフトウェアを導入できるように準備を進める。導入した量子カスケードレーザーを別途構築中のレーザー同位体分光装置に組み込み、13C18O18Oの吸収ピークの検出を目指す。

次年度使用額が生じた理由

HITRANデータベースに13C18O18Oの吸収波長データが含まれていないために、直接HITRAN構築チームからの情報提供を求める必要があり、予想以上に時間を要しているため。

次年度使用額の使用計画

HITRANデータベースからの最適波長選定結果が得られたら、量子カスケードレーザーを導入する。導入までにソフトウェア仕様を決定し、装置製作を完了し、動作試験を実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A practical cryogen-free CO2 purification and freezing technique for stable isotope analysis2017

    • 著者名/発表者名
      Sakai, S. and Matsuda, S
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry

      巻: 89 ページ: 4409-4412

    • DOI

      10.1021/acs.analchem.7b00544

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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