本研究は、局所的な放射線照射に対する造血組織及び赤血球の放射線応答の解明を目的とし、メダカにおけるγ線に加えて炭素イオンビームを利用した評価法の開発およびその解析を行った。血球数は、2 Gyから15 Gyの範囲では線量効果は認められず、造血組織である腎臓が放射線により照射されることで、面積依存的に1週間後には血球数が減少すること、また減少した血球数は28日後に回復しなかった。さらに貧血処理後において、放射線照射により貧血からの血球数の回復は1日程度遅れるが、放射線照射による血球数の低下が抑制されたことから、貧血処理後の造血細胞において放射線に対して抵抗性が上がったことが示唆された。
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