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2017 年度 実績報告書

モザイク変異を指標とした生殖細胞遺伝毒性試験の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K12205
研究機関大阪大学

研究代表者

内村 有邦  大阪大学, 生命機能研究科, 招へい教員 (20513063)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード突然変異 / 遺伝毒性試験 / 哺乳類 / 生殖細胞
研究実績の概要

私たちは、哺乳類の生殖系列で発生する突然変異の生理学的機能や後世代影響、さらには、その発生メカニズムを明らかにするため、実験用マウスを用いて、突然変異蓄積系統の構築を進めてきた。これまでの12年間に及ぶ継代実験により、継代数は最大で36世代に達した。本研究では、このマウス系統を利用することで、モザイク変異を指標とした新しい生殖細胞遺伝毒性試験を構築しようと考えた。
本研究では、生殖系列変異の発生における、モザイク変異の役割を明らかにするため、変異蓄積系統に蓄積された各々の変異について、世代を溯ることで、変異の発生機構を解析した。その結果、胚発生初期の細胞分裂では、それ以降の生殖系列の細胞分裂に比べて、より多くの変異が発生することが明らかになった。また、それらの変異スペクトラムに違いがあることも明らかになった。さらに、次世代シーケンサーを用いた解析により、体細胞中に存在するモザイク変異を高精度に検出するための新規の方法論に構築にも成功した。これらの方法を利用することで、個々のモザイク変異は、マウスの体組織ごとに、存在頻度が大きく異なることなどが明らかになった。
これまでの次世代シーケンサーを用いた解析では、通常のヘテロ接合型変異に比べて、低い頻度で存在するモザイク変異を捉えることは困難であったが、本研究により、その存在様式が明らかになり、高感度な検出系の構築にも成功した。本方法は、新しい遺伝毒性試験の方法論として有用だと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 変異蓄積モデルを利用した生殖系列変異の後世代影響の解析2017

    • 著者名/発表者名
      内村有邦、樋口真弓、八木健
    • 雑誌名

      放射線生物研究

      巻: 52(4) ページ: 402-415

    • 査読あり
  • [学会発表] 変異蓄積マウス系統は、放射線の遺伝影響を理解するための新たな方法論を提供する2017

    • 著者名/発表者名
      内村有邦、樋口真弓、水口洋平、福村龍太郎、西野穣、豊田敦、権藤洋一、八木健
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第60回大会
  • [学会発表] 放射線照射されたヒト培養細胞の全ゲノムシーケンス法による塩基置換型突然変異の予備的解析2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤康成、三角宗近、藤本明洋、内村有邦
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第60回大会
  • [学会発表] 日本産野生マウス由来近交系MSM/Msにおける自然突然変異の検出2017

    • 著者名/発表者名
      福村龍太郎、中井祐治、金相完、森一樹、 門田雅世、目加田和之、 田代康介、久原哲、吉木淳、豊田敦、藤山秋佐夫、内村有邦、権藤洋一
    • 学会等名
      日本遺伝学会第89回大会
  • [学会発表] 変異蓄積マウス系統を用いた生殖系列変異の解析2017

    • 著者名/発表者名
      内村有邦、樋口真弓、水口洋平、豊田敦、西野穣、八木健
    • 学会等名
      第42回中国地区放射線影響研究会
  • [学会発表] 実験室内進化モデルを利用して、哺乳類の進化の過程を理解する2017

    • 著者名/発表者名
      内村有邦
    • 学会等名
      第10回Evo-Devo青年の会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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