福島第一原子力発電所で起きた事故に由来する放射性セシウムが樹木中に取り込まれた後にどのような化学形態として存在しているのかを調べた。常緑樹であるスギ・アカマツ及び落葉広葉樹であるコナラ・コシアブラをそれぞれ実験対象とした。その結果、樹種による違いは認められず、すべての樹種においてセシウムは樹木組織に静電的に吸着(外圏錯体)し、強く固定されないことが分かった。このことは放射性セシウムが樹体内において水に溶けた状態で動きやすいことを意味しており、スギ樹葉において放射性セシウムが生長点に向かって転流していることと調和的な結果であった。
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