本研究では、福島原発事故で飛散した137-Cs分布の3次元可視化技術を新たに開拓した。具体的には(1)土壌中で散乱した2次ガンマ線と直接ガンマ線の比率 (2)散乱ガンマ線画像の広がりの両方を用いることで、2次元ガンマ線画像の縮退を解くことができる。シミュレーション及び実験室環境での詳細検証を経て、福島県浪江の森林部においてフィールド試験を行った。137-Csが深度方向に指数関数分布をしていると仮定し、緩衝深度β=2.22±0.05 cmを得た。これはスクレーパープレートによる直接調査の結果と良く一致している。今後は SPECT などで散乱ガンマ線を用いることで、新たな医療応用も期待できる。
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