研究課題/領域番号 |
15K12212
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
牛山 明 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (60291118)
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研究分担者 |
志村 勉 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (40463799)
服部 研之 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90306663)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生物影響 / 低レベル放射線 / 酸化ストレス / 循環器系 |
研究実績の概要 |
放射線ばく露によって循環器障害に繋がるリスクの科学的根拠を探索するため、生きたまま同一部位の微小循環動態の観察が可能である生体顕微鏡システムを用いて、放射線ばく露後の同一部位の微小循環動態を生体顕微鏡下で経時的に評価し、循環指標への影響を明らかにすることを目的とする。また酸化ストレス応答を発光イメージングで検出することで放射線ばく露によって生じる酸化ストレスの可視化も同時に行い、酸化ストレス応答の発生部位と循環動態との関連性を調べ、放射線による循環器障害に関する因果関係ならびにメカニズムを明らかにする。 平成27年度は上記の観察のため、生体顕微鏡システム、並びに発光観察システムを構築し、微小循環動態、並びに生体内ルシフェラーゼの発光のイメージング観察が可能になった。また、酸化ストレス可視化トランスジェニックマウス(OKD-Lucマウス)を研究代表者の実験動物施設に導入する手続きを進め、繁殖をおこない生まれた仔マウスのジェノタイピングによりOKD-Luc遺伝子を導入を確認した。これらの実験を通じて、実験に供するOKD-Lucマウスを確保することができ、今後の実験の基盤が構築できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
問題なく進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は放射線ばく露時の変化についての検討とその量反応関係を明らかにしていく。また放射線ばく露が遠位の組織に対して影響を与えるか否かを検討するため、照射の際に観察部位を鉛で覆うことにより、局所が防護された場合にその他の部位に照射されたエックス線の影響について酸化ストレス応答ならびに微小循環動態を調べ、その影響を明らかにする。一方、数Gyレベルの非常に強い線量の影響以外にも、比較的低線量(0.1~1Gy程度)の単回ばく露および繰り返しばく露について、どのような酸化ストレス応答が見られるかについても、観察・検討を行う。併せてこの条件においても、照射後の臓器を採取し、その臓器レベルでの酸化ストレス応答を定量化し、低線量被ばくの際の非がん影響について、総合的に考察を加えることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会参加が公務との兼ね合いがあり参加できず、旅費の一部が執行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は計画通り研究を進める予定であり、助成金も計画通り執行を進められると考えている。
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