オゾン存在下で個葉の光合成・蒸散速度が測定できるシステムを構築し、樹木のオゾン感受性の評価手法を開発した。シラカシとアラカシの純光合成速度に対するオゾンの影響は認められなかったが、スダジイやブナにおいてはオゾンによって純光合成速度の低下が引き起こされ、オゾン感受性に樹種間差異があることが示された。スダジイの純光合成速度はオゾン暴露開始4時間後から低下したが、シラカシの純光合成速度は5時間後まで低下しなかった。これらは長期オゾン暴露実験と同様な傾向であり、本研究で開発した手法を用いると、樹木の個葉に対する数時間のオゾン暴露によって長期的オゾン暴露に対する感受性を評価できることが明らかになった。
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