本研究では,放射能汚染水における三重水素水T2Oを、純水H2Oとの融点の違いを使って分離/濃縮する技術の開発に取り組んだ.精密温度制御によってT2Oを模擬するD2O溶液からD2Oを除去/濃縮するために、低温循環水槽(範囲-20~80℃、0.01℃分解能)内に放射冷却ユニットおよび製氷水槽と温度安定用水槽を入れ,上部を断熱蓋で覆う装置を製作した.凍結濃縮と融解濃縮に取り組んだ結果、前者では恒温水槽温度が高くなるにつれて固相へのHDO濃縮度が高まる傾向があることがわかり,水槽温度1.5℃の場合に最大濃縮度40%となった.後者では1.4℃において固相への最大濃縮度13%という結果を得た.
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