東北珪砂を用いて、土壌の洗浄および分級方法の検討を行った。洗浄部では旋回流により撹拌および遠心分離を行い、粒径の大きな砂は下部タンクに沈降する。また、シルトや粘土は旋回流上方に設置したスタティックミキサーを通過し、傾斜板で分級され、最終的に粒径の小さなシルト・粘土を分離する仕組みである。 実験を行った結果、スタティックミキサーに粗い粒子を落とす分級効果があること、また、傾斜板の傾斜角が60~65度が、砂粒子の滑降および界面の不安定性を起こさない最適値であることが判明した。また、流量を変えて実験を行い、分級の閾値を75μmに調整することができた。傾斜板の間隔は5mmであり、篩によらず分級出来ることが可能であることが判明した。 また、土壌洗浄を連続的に行うと、土壌洗浄で生じた乱流により撹拌層内の土砂濃度が徐々に上昇し、この濃度上昇により、粒径の大きな粒子が流出することが推定された。 以上のことから、連続的に土砂分級を行う際には、乱流と土砂の平衡濃度の関係、撹拌層内で粒径の大きな土砂をトラップする更なる方法、粘土・シルトを撹拌層から傾斜板に短時間で移行させる工夫が必要であることが分かった。粒子を分離し易いスタティックミキサーの構造に関する研究が必要であることも分かった。
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