研究課題
昨年度では主にナノチューブの吸着材料の研究を行った。金属酸化物活性付きの吸着成分をナノ粒子の形でその表面に分散付着させる技法を確立し、ナノ構造の材料を合成した。さらに、水溶液中のアンモニアイオンや重金属イオンに対して、複合した材料の吸着除去性能を実験で検討した。その結果、赤玉土で焼結したセラミックスより数倍以上の吸着性能を得た。複合したナノ材料の物理化学特性および表面特徴の分布など分析はSEM、TEM、EDX、XPSを用いマイクロ分析を行った。最終年度では、作成した吸着材料のイオン交換力を強化し、Microixerにて合成及びFe0.4Co0.4とAmberlystの比較吸着を実施した。その結果を「多孔性配位高分子によるアンモニウムイオン吸着除去」タイトルで化学工学会第82年会、東京、日本 (2017)にて発表した。アンモニア吸着の実績は、初期アンモニアイオン濃度は2000mg/L、NH4+吸着条件液固比1000、3時間、600 rpm、Fe/Co=1-Mmの場合の吸着量はAmberlyst 15(H)より約27.3%に増加した。また、保存期間が増えると、NH4+の吸着量は減ることが観察された。最大NH4+の吸着量は3.98mmol/g-CoFeHFC、今までのナノ構造の吸着材よりはるかに高い吸着能力を示した。CoFeHFCにおける主な吸着メカニズムはイオン交換によるもので、Naの量が増えると、NH4+の吸着能が促進される。CoFeHFCに吸着されたNH4+は、IRの分析により解析した。得られたデータを、動力学的解析して、論文として纏めている最中である。今回の研究成果による、CoFeHFCは、有望なアンモニア吸着材料として期待される。
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