塩素処理工程にて様々な物質が生成され、そのうちのいくつかは臭気を有するとの報告がある。しかしながら、どのような物質が、どの程度水道水の臭気に寄与しているのかは分かっていない。本研究では、ヒト嗅覚を検出器としたGC/MS法(GC-MS-O)を確立し、標準品が入手できないような生成物についても、水道水の臭気全体への寄与率が評価できることを示した。本研究では、モデル物質としてフェニルアラニンを用い、塩素処理後に生成される、標準品が入手できないN-クロロフェニルアセトアルドイミンと2-クロロ-2-フェニルアセトアルデヒドが臭気を有することを示した。また、これらのカルキ臭全体への寄与率を定量的に示した。
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