細菌は自身の生育を抑制し細胞死をも引き起こす毒性タンパク質を作るシステム(TAシステム)を持つ。本研究では複数のTAシステムのON/OFFを一律に制御し、細菌の細胞死を任意に引き起こす仕組みの開発を目指した。 データベースから選抜した9種類のTAシステムをアグロバクテリアに導入、その生育抑制効果を精査し、4種のTAシステムを選抜した。これらを加工し組み合わせ、アグロバクテリアの染色体DNAに組み込んだ。この細菌を細胞死誘導条件に移すことで、野生株に比べ著しく生菌数を低下させることができた。TAシステムが遺伝子組換え細菌の外環境への流出などを防ぐ封じ込め技術へ利用できる可能性が示唆された。
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