研究課題/領域番号 |
15K12253
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹内 一郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (30212020)
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研究分担者 |
井口 亮 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 助教 (50547502)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サンゴ産卵 / サンゴ白化 / ワイパー式メモリー水中カメラ / ドローン(無人航空機) |
研究実績の概要 |
平成27年度は、ワイパー式メモリー水中カメラによる観測方法を構築することができた。まず、5月下旬に、沖縄県の特別採補許可により沖縄県本部町沿岸から採集したミドリイシ属のコユビミドリイシAcropora digitiferaを琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設の陸上水槽内に移植した。次に、同水槽内にワイパー式メモリー水中カメラ(JFEアドバンテック株式会社・SFIDA)を設置し、コユビミドリイシを10分間隔で、約6日間の連続撮影を行った。撮影した画像をもとに水中のバンドル数を計数した。バンドルとはサンゴの卵と精子がはいったカプセルのことをさす。その結果、コユビミドリイシの産卵は午後10時頃より始まること等が明らかになった。 ドローン(無人航空機(UAV:Unmanned Air Vehicle))によるサンゴの産卵や白化等の観測に関しても、平成27年度中にその基礎を確立することができた。空撮用のドローンとして世界的にも最もシェアの高いDJI社(中国・深セン)のPhantom 3 Professionalを購入した。同機は3軸ジンバルシステムを搭載し、高解像の画像等を撮影することができる。まず、Phantom 3 Professional等のドローンの飛行操作等に関する習熟を愛媛県東温市の重信川河川敷等で行った。次に、沖縄県本部町の瀬底島沿岸域でPhantom 3 Professionalを飛行させ、サンゴ礁の画像の撮影方法等を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、当初、1) ワイパー式メモリー水中カメラの設置や計測方法の開発、及び、2) ドローンによるサンゴ礁の撮影方法の開発を計画していた。いずれも、ほぼ、当初の計画どおりの研究を実施することができた。よって、「(2)おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、ほぼ、当初の予定どおり、1) ワイパー式メモリー水中カメラによるサンゴ産卵の計測、2) ワイパー式メモリー水中カメラによるサンゴ白化の計測、及び、3) ドローンによるサンゴ白化の計測に関する研究を予定している。また、本科学研究費助成事業で得られる研究成果は、早急に、海洋生態学関連の国際シンポジウムや学会等で発表するほか、国際的な学術誌にも投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、ワイパー式メモリー水中カメラやドローン(無人航空機(UAV:Unmanned Air Vehicle))による観測方法の検討等を行った。平成28年度はワイパー式メモリー水中カメラやドローンによるサンゴ産卵や白化の観測を行う予定であるため、予算残は、平成28年度分の予算と合算してこれらの機器や消耗品類の購入に使用したほうが本研究課題の実施により適切であると判断し、執行を延期した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、本年度の予算と合算し、本年度に計画している1) ワイパー式メモリー水中カメラによるサンゴ産卵の計測、2) ワイパー式メモリー水中カメラによるサンゴ白化の計測、及び、3) ドローンによるサンゴ白化の計測に関する研究の実施に必要な観測機器、および、消耗品類の購入に充当する予定である。
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