本研究では環境防災経済学における新たなモデル分析手法を開発し,パランカラヤ市を対象として,健全な氾濫想定地域の土地利用,不法住民の居住移動,対象地域の環境保全と健全な経済成長の在り方を探った。モデルを動学化し,比較静学分析を行った。主要な成果は以下のようである。(1)氾濫地域は低所得者が居住する。(2)適切な所得政策を行えば氾濫地域での不法居住を減らすことができる。(3)農村部での住宅地開発は氾濫地域での不法居住を減らすことができる。(4)農村地域での森林育成は氾濫地域でのリスクを減らすことができるが,逆に人口も増加させてしまう。(5)都市内交通改善は氾濫地域での不法居住を増加させてしまう。
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