研究課題/領域番号 |
15K12285
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
寺内 文雄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30261887)
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研究分担者 |
UEDA Edilson S 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50436341)
久保 光徳 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60214996)
樋口 孝之 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70375608)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | プラスチック / フィラー / 射出成形 / 印象変化 / 長期使用 |
研究実績の概要 |
最終年度である本年度は,前年度までに作製したサンプルを対象に,被験者を用いた質感評価実験を行い,その印象を明らかにすることを試みた.作製したサンプルは,ポリプロピレンと金属粉,和紙繊維,無機材料を異なる割合で混練したものとフィラーを混練していないサンプルを加えた計34サンプルである.評価対象サンプルは,これらにサンプル表面をサンドブラスト装置により研削した34サンプルものを加えた計68サンプルである.被験者は男女で計20名とした.被験者は提示されたサンプルに触れずに観察し,その印象を7段階SD評価尺度によって評価した.得られた結果を因子分析法によって集約したところ,これらのサンプルの印象は3つの因子に集約できた.これによりフィラーを混練していないサンプルと比較して,フィラーを混練したサンプルの多くは新品感が減少し,古さや複雑さの印象が増加することが判明した.また表面研削による印象変化の程度はフィラーによって大きく異なり,和紙繊維や珪藻土をフィラーとしたものは印象変化が大きいことが確認できた. さらに使用に伴うサンプル表面の摩耗が,質感の印象変化にどのような影響を与える可能性があるのかを明らかにする目的で,卓上振とう機と研磨紙や研磨剤,オレイン酸,市販植物油からなる皮脂模擬液を用いて,サンプルの表面処理を行った.そしてこれら表面処理後のサンプルを対象として,再度質感評価実験を実施し,その結果を前述の因子分析のデータに加えて分析した. これによりアバカ紙繊維や化粧泥粉をフィラーとしたサンプルでは,より新しい印象へと変化することが判明した.一方,金属粉をフィラーとしたサンプルでは,新品感や硬さ,重さの印象が増加することが示唆された. 以上の結果から,様々なプラスチックにフィラーを混練したサンプルを作製することで,使用に伴う質感変化に必要なフィラーの特性を明らかにすることができた.
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