研究課題/領域番号 |
15K12293
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田口 陽子 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10435448)
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研究分担者 |
柄沢 祐輔 東京理科大学, 理工学部, 助教 (00647365)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルゴリズミック・デザイン / 建築設計手法 / 非整形 / 形態生成論理 |
研究実績の概要 |
本研究は、直交座標方向以外の壁・床・天井を有するものを非整形建築と定義し、独自の生成論理による非整形建築の実物大模型の製作およびその実空間における人間の認知・行動の調査を通じて、非整形建築空間を最適化する手法を検討するものである。今年度は以下の3点について研究を行った。 1.独自のアルゴリズムの方法論に基づいて非整形建築モデルを生成した。3次元モデリングソフト(Rhinoceros)等を用いて外観や内観のCGを作成し、モデルの空間性を視覚的に表現した。 2.現代日本の非整形住宅作品の事例を『新建築』過去16年間掲載作品の中から収集し、非整形形態の変形方向図および動線・視線の位相関係図の作成、空間単位にみられる生成論理の整理を通じて、複雑性および統合性の観点から類型化を行った。生成した非整形建築モデルを類型との差異として捉えることにより、モデルが高度に複雑で統合された建築空間を有していることを把握した。 3.非整形建築モデルの実物大模型製作に向けて構造図を含む実施設計図を作成し、敷地選定、資材調達、技能者の手配など実物大模型の製作方法の検討を行った。 成果の公表については、日本建築学会における発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実物大模型の製作が遅れている。まず敷地選定に関して、協力者との調整に時間が予想以上に時間がかかった。1月に実物大模型の製作に着手したが、材料調達や技能者の手配など非整形建築ならではの困難な点が多数発見され、現在も製作中である。それにともなって、次年度計画している実物大模型の実空間における人間の認知・行動の調査にも影響が及んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
課題となっている実物大模型の製作に関して、より詳細な施工図を作成することにより、技能者等が製作可能な計画を立てる必要がある。また本体構造について、品質・精度を確保できる材料に変更して調達することとする。場合によっては、非整形建築モデルをより簡便に製作可能なものに見直すことを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実物大模型の製作に着手したが、工期が遅れていて現在も製作中である。そのため予算の執行にまで至っていない。また実物大模型の製作費用に多くを費やすために、その他の研究に必要な旅費等は他の予算を使用した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は遅れている実物大模型の製作を進め、その製作費として使用する計画である。
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