研究課題/領域番号 |
15K12299
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安井 希子 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (80607896)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 接近報知音 / 次世代自動車 / 準周期変動 / 気づきやすさ / 適切性 |
研究実績の概要 |
安心・安全な環境を提供できる接近報知音のデザインに向けた取り組みとして,報知音のデザインに関するサーベイを行なった.その結果,音の高さや持続時間,繰り返し周期など,単純な特徴を考慮したものが多く,その中でも,聴覚の特性を考慮したサウンドデザインや,様々なサイン音合成のための信号処理法が提案されていることを発見した.海外でも様々なサウンドデザインが行なわれており,今後のデザイン方法の決定に大いに参考になった. また,これまで行なった研究成果と,サイン音のデザインに関するサーベイ結果に基づいて接近報知音の合成を行ない,評価実験を行なった.本研究では,自動車を想起させるために,ガソリン車の排気音から抽出した準周期的な変動を用いており,その変動の速さや大きさに関しては,これまでの研究で調査してきた.今回は,音色知覚に影響を及ぼす,振幅包絡の形状に着目して評価実験を行なった.実験では,変動の速さと変動の大きさ,振幅包絡の形状をそれぞれ組み合わせた接近報知音を合成し,それらが環境音呈示状況下において聞こえるか否かを回答させた.なお,接近報知音の呈示レベルは徐々に大きくしたり,小さくしたりして,どの呈示レベルの際に気づけたかを調査した.その結果,変動を感じやすい速さ8 Hzの場合は,矩形波の方が正弦波やノコギリ波よりも気づきやすいことが確認できた.一方,他の速さの場合,振幅包絡の形状はほとんど気づきやすさに影響を及ぼさないことが確認できた.この結果より,変動の特徴間の相互作用について,一部ではあるが,確認できた.次年度以降に取り組む,実験結果に対する分析の準備ができ,条件数や被験者数を拡充して再度実験を繰り返し行なうことで,気づきやすい報知音のデザインに取り組んでいく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
報知音のデザインに関するサーベイや接近報知音のデザインと合成ができ,実験規模が小さいが,聴取実験の実施と分析を行なうことができた.計画時よりは,やや早く進めることができている.ただし,実験条件を拡充する必要があるため,この状況に満足せず,様々な条件において実験を繰り返すことで,安心・安全な環境を提供できる接近報知音のデザインを目指す.
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今後の研究の推進方策 |
初年度では,報知音のデザインに関するサーベイや接近報知音のデザインと合成ができ,実験規模が小さいが,聴取実験の実施と分析を行なうことができた.ただし,実験条件を拡充する必要があるため,分析結果に基づいて,様々な条件における実験を繰り返し行なう.また,実環境を想定した評価実験を今後行なう予定である.
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