研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では,高校家庭科における生活時間教育に着目し,時間の長さだけでなく,どのように過ごしたかの時間の質も考慮した新たな「時間の尺度」を開発することを目的とした。そのために高校生に調査を行い,高校生の時間に対する意識を検討した。その結果,時計の進み方を基準として3~5段階の時間尺度を用いることが考えられた。また,それを用いて教育の場に還元するために,高校家庭科で今までは展開されてこなかった「長さ」と「質」との双方を組み入れた「時間の尺度」を用いた授業内容を提案した。
家庭経営学
高校家庭科の生活時間教育において,時間の長さと質の双方を重視した考え方の提案と,その授業案への展開は,生活時間の質的な概念を含んだ授業案・教材等はほとんどない高校家庭科教諭にとって新たな手法として意義があった。同時に,生活時間管理に悩む高校生にとって,身近な尺度を用いて自分自身の生活を振り返ることのできる結果となり,生活時間管理能力の向上に寄与するものとして社会的な意義もあったと判断される。