研究課題/領域番号 |
15K12305
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平田 道憲 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30111660)
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研究分担者 |
今川 真治 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00211756)
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
八重樫 牧子 福山市立大学, 教育学部, 教授 (80069137)
田丸 尚美 広島都市学園大学, 子ども教育学部, 教授 (00570061)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 保育 / 子育て支援プログラム / 大学生 / 生活経営 / ニュージーランド |
研究実績の概要 |
本年度は,研究全体における準備段階として,まず国内外の先行事例調査を行うことを目標とした。 このうち,「子育てカップル」への教育プログラムを実践している国外の先行事例調査として,ニュージーランドでの調査を行った。オークランドのオークランド大学において,このような教育プログラムの有無を尋ねたところ,「無い」ということであった。多くの西欧諸国の大学がそうであるように,オークランド大学においても18歳で高校を卒業して大学へ行くという形ではなく,学生の年齢はバラバラである。したがって,「大学生」概念が日本とは全く違っていると言える。 学内にある様々な相談を扱う相談室、学生向けの子育て支援室でヒアリングを行ったところ,相談室においては子育てに関わる相談は少なく,もしもあれば子育て支援室の利用か,同じく学内にある保育所を紹介することになっているようであった。また,子育て支援室は学生であればだれでも利用することができ,子どもを遊ばせながらの学習や授乳,場合によってはパートナーや自分の親など第三者にそこで子どもと遊んでもらう中で,講義を受けに行くこともできる仕組みになっていた。学生に対する「子育て支援」に関する特別なプログラムはないが,様々なメッセージや外部の相談機関のパンフレットが並べてあり,自分に必要な情報を選んで連絡することでサポートを受けられる仕組みであった。 子育て支援全般において先進的制度をもつニュージーランドであるが,大学生を対象とした子育てプログラムに関しては,特別にそのような制度を設けていないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は,主として国内外における先行事例調査を実施することを目標としていたが,このうち予定していたニュージーランドにおける調査を実施することができた。その一方で,国内各所における先行事例調査については,各研究者の調査日程を確保できなかったことなどにより,十分に実施できなかった。 また,今年度中に作成し,予備的に実施する予定であった質問紙調査については,質問項目の選定が十分に進まなかったため未完成に終わり,実施できなかった。このため,これに対応する形で実施予定であった子育て中のカップルに対するインタビュー調査も実施できていない。しかし,調査票作成の準備が現在も進行中であり,近々には完了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に未完成であった質問紙調査項目の選定を早急に行い,調査実施のための準備を完了するとともに,次年度前半には質問紙調査を実施する。 その一方で,今年度中に実施できなかった国内の調査を進め,国外の調査結果と比較検討する予定である。 また,当初の予定にはなかったが,各研究者が所属する,それぞれの大学における子育て支援態勢の情報収集を追加で実施し,国内の大学における子育て支援プログラムの基礎的資料とする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
1)当初の予定であった質問紙調査の実施が遅れたため。 2)国内・国外の先行事例調査の一部が実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に実施できなかった質問紙調査を実施するとともに,国内・国外の先行事例調査を継続して実施することにより使用する予定である。
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