研究課題/領域番号 |
15K12308
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
水谷 千代美 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00261058)
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研究分担者 |
梶原 莞爾 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (10133133)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 寝たきり高齢者 / 消臭性繊維 / 活性炭素繊維 / 局所消臭システム / 介護用品 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者施設や病院の排泄物臭、尿臭、体臭などの悪臭に対して、悪臭源近傍で悪臭を効率よく除去する方法を考案することである。平成27年度は、これまでの成果を踏まえて悪臭源近傍で換気マットレスと消臭性繊維を組み合わせることで局所消臭システムの基礎的な知見が得られた。このシステムを実用化するにあたり悪臭源近傍で除去した悪臭を外気へ排出する際、環境への配慮を考える必要がある。平成28年度は、局所消臭システムに排気ダクトを組み入れた実験装置を作り、装置内の排気ダクト内で消臭性繊維を設置して消臭効果を調べた。悪臭として尿臭を模したアンモニア臭を用い、消臭性繊維として活性炭素繊維、鉄フタロシアニンを用い、ダクト内の温度、湿度およびアンモニアガスの流速が消臭効果に与える影響を調べた。その結果、鉄フタロシアニンよりも活性炭素繊維の方が高い消臭効果を示した。活性炭素繊維の消臭効果は温度20~28℃の範囲では消臭効果に差が見られなかったが、湿度30~75%の範囲では湿度が高いほど消臭効果が低下した。また、アンモニアガス流速が速いほど消臭効果が低下することが分かった。 さらに、福祉先進国であるデンマークの高齢者施設で介護用品、介護システムおよび現状の問題点などについて調査を行った。調査結果から、導尿バックに対して消臭抗菌性繊維が応用でき、利便性を考慮した装着の工夫が必要だと考えられる。また、ベッドから車椅子に移動する際に使用するスライディングボードなども機能性繊維を使えることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であった高齢者施設や病院の悪臭を効率よく対処する消臭方法は確立できたように思われる。
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今後の研究の推進方策 |
福祉先進国であるデンマークで介護用品を調査し、消臭抗菌性繊維など優れた機能を介護用品に展開できるように提案する。
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