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2017 年度 実施状況報告書

国際移動家族におけるマイノリティへの意識の変化ー移動前と移動後の経時比較

研究課題

研究課題/領域番号 15K12310
研究機関神戸松蔭女子学院大学

研究代表者

竹田 美知  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (00144634)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード海外赴任帰国家族 / 海外長期滞在家族 / 海外短期滞在家族 / マイノリティー体験 / 社会的ネットワーク
研究実績の概要

平成29年度は、海外転勤を何度も繰り返し帰国した家族(海外赴任帰国家族)7家族に対しては2017年9月に同様にインタビュー調査を実施した。インタビュー項目は移動後の問題とその解決、人的ネットワーク、帰国後の人的ネットワーク(海外赴任家族)、帰国後の問題とその解決(海外赴任家族)等について、半構造化インタビューを実施した。
2018年3月には神戸松蔭女子学院大学研究紀要人間科学部篇JOHS,No.7に「国際移動家族におけるマイノリティー体験ー短期滞在者と長期滞在者の比較ー」と題して平成27年度、28年度の研究実績をまとめ掲載した。
掲載論文の内容は以下のとおりである。国際移動家族に対して、インタビュー調査を行い、そのマイノリティ体験を浮き彫りにし、彼らの体験を対象として時間軸を中心に分析をした。海外に在住する「国際移動した家族」として、2015年11月にシカゴにおいて3ケース、2016年8月にニュージャージにおいて7ケースの聞き取りを実施した。インタビュー調査結果から、海外滞在者は、自分自身の所属するネットワークでエスニック・グループと交流した結果、様々なカルチャーショックを体験していることが明確になった。例えば短期滞在者は、問題を解決するための人的ネットワークや時間が不足していることが明らかになった。一方長期滞在者は、日本人ネットワークやコミュニティにおけるたくさんのエスニックネットワークを活用しながら問題を解決しているという調査結果が得られた。
2018年1月から3月にかけて、2017年度に実施した海外赴任帰国家族のインタビュー調査を分析しつつ、現在海外において滞在している家族の社会的ネットワークの比較を試み、2018年5月末に日本家政学会における学会発表に向けて準備を進めている

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成29年度は、帰国した家族(7家族)に対して、国内のマイノリティに対する意識や行動を中心にインタビュー調査を実施した。しかし研究成果を生かした成人を対象とした多文化共生教育のワークブックを作成する時点まではいたっていなく、ワークブックを公開講座や授業などで使用した学習評価アンケートも実施できていない。
平成29年度は、大学の学部開設準備のため副学長として文書作成や事務相談に多くの時間をとられ、国内の海外赴任帰国家族のインタビュー調査の第1回目の実施のみにとどまった。現在そのテープおこしとその実施結果をまとめている段階である。
平成27年と平成28年度の研究成果は論文としてまとめたが、平成29年度のインタビュー結果にはその分析の端緒についたばかりである。インタビュー結果の分析とその分析から得られた成果を教材としてまとめるにはあと1年の期間が必要であると判断し、研究期間の延長を申請し認められた。
海外赴任帰国家族のインタビュー結果の分析をさらに深化させるためには再度、インタビュー対象者に接触し、第2回目のインタビューを実施してインタビュー内容の精度を高める必要がある。そのためには、さらにもう1年の期間の中で第1回目のインタビュー内容の中から絞った内容でさらに第2回目のインタビューを実施する予定である。この第2回目のインタビュー計画の不実施のため研究課題実施が遅れている。
さらにインタビュー対象者の住所が名古屋、横浜、千葉、北海道とインタビューをする場所の移動に時間がかかるため、長期の夏休みを利用して第2回目のインタビューを実施する予定であるので研究課題の進捗状況に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

2018年5月末に口頭発表を予定している日本家政学会の発表内容の検討を始めとして、2018年7月から9月にかけては、海外赴任帰国家族の第2回インタビューを実施する予定である。
これまでの結果の分析を通して、2018年7月から8月にかけて国際移動をした家族の事例を取り入れ、効果的な学習方法とプログラムを提案するワークブック教材を作成する予定である。できれば2018年8月末から12月にかけてワークブックを用いた授業を行い、その評価結果の分析を12月から2019年1月にかけて行う予定である。
2019年1月から3月にかけては、研究報告書の作成に着手する。

次年度使用額が生じた理由

2018年5月には家政学会で発表を予定しているのでその参加費、および研究出張のための費用が必要となる。
2017年度は研究計画が遅れ、国内の海外赴任家族の第2回目のインタビューが実施できなかったことと、さらにこれまでのインタビュー成果を基にした教材の作成とその教材を使用した学習成果の評価の分析ができなかった。2018年度は、7月から9月にかけて第2回の海外赴任家族のインタビューを実施しするため、交通費、謝礼の支出が予測される。さらにこれらのインタビューをテープおこしするための費用も必要である。
さらにこれまでのインタビュー結果に基づいた教材作成のための費用の支出およびその教材を使った模擬授業の学習成果分析のためのソフトの購入を計画している。2018年度末には研究成果をまとめた論文を執筆するのでその投稿費用と研究成果報告書の発刊に費用も必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 国際移動家族におけるマイノリティー体験2018

    • 著者名/発表者名
      竹田 美知
    • 雑誌名

      神戸松蔭女子学院大学研究紀要人間科学部篇

      巻: 7 ページ: 73-90

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 国際移動家族の社会的サポートネットワーク2018

    • 著者名/発表者名
      竹田 美知
    • 学会等名
      日本家政学会

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公開日: 2018-12-17  

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