感染病原菌の多くは、我々の細胞の表面を覆う糖鎖と結合する。糖鎖を濾紙、ビーズ、繊維に固定し、大腸菌やピロリ菌を捕捉することができる。しかしながらこの手法では感染菌を捕捉するだけで、殺菌できない。本研究では酸化チタンを塗布したスライドグラス上に酵母ペーストを円形の島状に固定し、酵母に含まれる糖鎖で大腸菌(検出の目的で蛍光標識)を捕捉し、UVを照射した。その結果、ペーストに結合した蛍光円の大きさが対照に較べ有意に縮小した。以上の結果は、試料をUV照射すると酸化チタンからヒドロキシラジカル等が発生し、大腸菌を酸化チタンと隣接する外周部から殺菌し破壊したためであると考えられた。
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