これまでの減塩食品は,食塩配合量の低減,食塩代替素材の配合,他成分による塩味増強などで対応してきた。本研究では,食品の「微細構造-咀嚼時の破断挙動-呈味性」の関連性を明らかにして,減塩しても適度な塩味を有する加工食品を創製することを目的にした。多糖添加によって泡沫構造を変化させた固体膨化モデル食品(スコーン)ではなく,層構造を変化させた薄力小麦粉-食塩-水固体モデル食品(ダンプリング)が本研究の目的に適していることがわかった。塩味を比較的強く知覚した層状モデル食品は,食塩配合量の差が大きい層が隣接する試料,または食塩配合量が極端に大きい層が存在する試料であった。
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