ポリフェノールを用いて食肉の新鮮色が維持できるかを検討した。食肉の色はミオグロビンの状態によることから,ミオグロビンに対するポリフェノールの効果から検証した。多くのポリフェノールは鮮赤色のオキシミオグロビンの褐変化を促進した。一方で,ケルセチンなどのポリフェノールは,褐色ミオグロビンを鮮赤色へ変換した。機構解析の結果,ポリフェノールキノンのプロオキシダント効果を除くためにシステインを共存させたところ,高還元性のポリフェノールに強力な鮮赤色化効果を発見した。この効果はシステインをポリフェノールに導入したものにも見られた。さらに,実際の食肉として,変色が速いカツオ肉を用いても検討した。
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