研究課題/領域番号 |
15K12332
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千葉 満 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (20583735)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | microRNA / リンゴ |
研究実績の概要 |
本研究課題ではリンゴ果汁中に存在すると考えられているエキソソーム様ナノベシクルを単離し、ナノベシクルに内在すると考えられる腫瘍抑制性microRNAの同定と、大腸癌への抗腫瘍効果を調べるものである。今年度は昨年度に引き続き、リンゴ果汁からのナノベシクル回収法の検討と、RNA種の分析を行った。次世代シークエンサー解析により、リンゴ果汁中に多いmicroRNAとしてmiR-159、miR-396、miR-166などを同定した。しかしmicroRNA発現データは得られているが、その機能のほとんどは明らかとなってはいない。そこで現在はリンゴ由来腫瘍抑制性microRNAを同定するため、ヒトの癌関連mRNAの制御に関連することが予想されるmicroRNAの情報科学的解析を行っている。ターゲットとしては細胞の増殖や生存に関わるmRNAの制御に関わるmicroRNAを選択する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リンゴ由来ナノベシクルの回収法の確立に時間を要してしまい、予定の研究期間内に研究を終了させることが困難であった。それゆえ研究期間を1年延長し、引き続き平成29年度も本研究課題を遂行する。平成28年度はリンゴ果汁中ナノベシクルの回収の検討とRNA分析を行い、リンゴ果汁中ナノベシクルに存在するmicroRNAを同定した。現在、さらに詳細な情報科学的解析を行い、腫瘍抑制性microRNAの探索を行っている(達成度70%)。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長し、次年度は実験データより腫瘍抑制性microRNAを情報科学的に予測する。また、大腸癌細胞へのmiR-159、miR-396、miR-166などのトランスフェクションや強制発現系の実験を進め、抗腫瘍効果についての解析を進める。また、マウスにおけるリンゴ由来腫瘍抑制性microRNAの抗腫瘍効果について検討する。得られた成果を積極的な学会発表と論文報告により情報発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
リンゴ由来ナノベシクルの回収法の確立に時間を要してしまい、予定の研究期間内に研究を終了させることが困難であった。現在、リンゴ由来microRNA種類の分析に従事しており、事業期間を延長させることにより、腫瘍抑制性microRNAの同定と大腸癌細胞への抑制効果についての研究を行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越額は、平成29年度実施予定の研究における消耗品購入に充当する予定である。
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