研究課題/領域番号 |
15K12351
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤田 裕規 近畿大学, 医学部, 講師 (10330797)
|
研究分担者 |
甲田 勝康 近畿大学, 医学部, 准教授 (60273182)
中村 晴信 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10322140)
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 体組成 / 小児 / 味覚 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、わが国の小児一般集団を対象として、二重エネルギーX線吸収法によって測定した体組成(骨量・脂肪量・除脂肪軟部組織量)と発育期に発達する味覚との関連を明らかにし、味覚を正しく発展させることによって小児期に適切な体組成を獲得、維持することができるかどうかを検討する。その結果から味覚教育を幼児期から行うエビデンスを提供する。 最終年度である平成28年度は、三島市の二つの保育園の年中・年長81人の園児を対象として行い、承諾書が得られた園児は80人であった。体組成が測定できた園児は、年中37人(男16人、女21人)、年長39人(男28人、女11人)、合計76人であった。また、平成27年度に体組成測定を受診した年中38名(男28名、女10名)の内、平成28年にも受診した園児は37名(男27名、女10名)であり、これらの園児について1年間の追跡調査を行うことができた。 平成28年度の結果では、男において骨量指数、筋肉指数、体脂肪率は年中に比べ年長で高い値であった。女において骨量指数、筋肉指数は年中に比べ年長で高い値であった。味を感じるかどうかの指標である味覚検知能力において年齢や性別による差はみられなかった。年中年長の男女ともに、塩味の検知スコアが高く、塩味に対する感受性が他の味(酸味、甘味、苦味)に比べ高かった。味を見分ける指標である味覚識別能力において、性別による差はみられなかったが、年中よりも年長でより優れていた。年中の女を除いては、塩味と苦味を識別する能力が高かった。 平成27年度から平成28年度の1年間の体組成、味覚の変化について、男女ともに、骨量、脂肪量が増加していた。男女ともに、味覚検知能力は1年間で変化はなかった。しかしながら、味覚識別能力は1年間で高まっていた。このことから、年中から年長の時期が味覚を識別する能力の発達に重要である可能性が示唆された。
|