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2015 年度 実施状況報告書

拡張現実感と食品ビッグデータ解析による在宅食事療法におけるQOLの改善

研究課題

研究課題/領域番号 15K12356
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

加藤 博一  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70221182)

研究分担者 冨田 圭子  近畿大学, 農学部, 准教授 (20381931)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード在宅食事療法 / QOL改善 / 栄養素分析 / 献立推薦
研究実績の概要

本研究では,在宅食事療法におけるQOLの改善を目的とし,それによって患者の食事療法の継続的な実践を支援することを狙ったものである.新たな方法の提案に先立ち,まず,在宅食事療法として使われている既存の献立本に掲載されている献立の栄養分析を行った.既存の献立本に記載の献立を我々のグループが保有する食品栄養素データベースに取り込み,タンパク質の摂取制限のかかる患者を想定し,その献立に含まれる栄養素を常食に含まれる栄養素と比較した.その結果,常食においては,ほとんどすべての栄養素において,その摂取量が摂取基準を満たしていることが確認出来たが,制限食においては,制限すべき栄養素に関してその制限が満たされていることが確認出来たが,同時に制限が不要な栄養素に関して摂取基準を満たさないものが多数あることが確認出来た.これは,制限食の継続的な利用により患者が栄養不足になる可能性があることを示唆している.
次に,調理者の観点から,制限食と常食を同時に調理できる献立を複数開発した.また,この献立もデータベースに取り込んだ.さらに従来の栄養制限が1日単位で行われていたところを,設定により3日間,1週間といった複数日の平均値で制限することを想定し,その制約の中で,献立推薦を行うアルゴリズムを考案し,それに従った献立推薦システムを試作した.予備的な評価実験から,このアルゴリズムを使用することで,食事における満足度が向上することが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

食事療法で使用される既存の献立本の栄養分析結果から,それらにおける制限外栄養素の多くで,摂取量が基準値に対し有意に低いことが確認された.これは,当初は想定していなかった問題であり,それを発見できたことが非常に有意義である.また,その他の研究項目も順調に進展した.

今後の研究の推進方策

本研究で開発した献立と献立推薦システムの有効性を確かめる実験を行うことが研究の中心となる.そのために,具体的な実験計画を検討し,倫理委員会の承認を受ける.また,献立推薦システムのユーザインタフェースを改良し,一般の人でも簡単に使いこなせるものにする.その上で,実際に使用してもらい,その評価を得る.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ビッグデータ・フード・サイエンス:料理レシピと世界の食品アクセスにおけるデータ・サイエンス2016

    • 著者名/発表者名
      平井(森田)晶, 西原典孝, 大橋美名子, 冨田圭子, 小島誠也, 大西啓介, 稲村真弥, 生島早紀子, 佐藤哲大, 小野直亮, 黄銘, 鈴木優, 中村哲, 加藤博一, 金谷重彦
    • 雑誌名

      明日の食品産業

      巻: 3月号 ページ: 33-44

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 在宅食事療法の栄養素情報の分析と動的な献立計画支援手法の提案2016

    • 著者名/発表者名
      小島誠也, 冨田圭子, 木戸慎介, 森田晶, 金谷重彦, 稲村真弥, 上西梢, 武富貴史, 山本豪志朗, サンドア クリスチャン, 加藤博一
    • 学会等名
      電子情報通信学会 マルチメディア・仮想環境基礎研究会(MVE)
    • 発表場所
      名桜大学(沖縄県名護市)
    • 年月日
      2016-03-07 – 2016-03-08

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公開日: 2017-01-06  

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