研究課題/領域番号 |
15K12362
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
安部 聡子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90644576)
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研究分担者 |
下司 映一 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (50192050)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 朝食 / 脳血流 |
研究実績の概要 |
朝食摂取の有無と知的課題遂行能力に関しては多くの疫学研究からその影響が報告されている。しかし、朝食摂取や非摂取後の状態で実際に知的課題を負荷した際に起こる影響については、明確にはされていない。知的課題時の評価方法として、脳波測定やMRI、脳血流測定など様々な方法があるが、初年度は、近赤外線分光法(NIRS)装置を用いて知的課題負荷時の脳血流量を測定して、朝食摂取の有無についての影響を検討した。実験は、朝食摂取が習慣化している健常な女子大学生を対象として、朝食摂取日と非摂取日の2両日(2週間空けて実施)にストループ課題(新ストループ検査)負荷を行って実験を行った。前頭葉の脳血流量について、左右脳の差異について分析した結果、朝食摂取の有無によって有意差が示されたのは、最初の課題と難課題の時であった。左右脳では、朝食摂取日の右脳の活性化が左脳よりも増加したことを示された。この結果を踏まえて、本年度は、更に研究を進めて、fMRIにて知的課題負荷時の脳血流量の賦活差異について検討した。被験者5名に対して、朝食摂取日と非摂取日の2両日に知的課題を負荷する実験を実施し、その結果を分析した。fMRI測定時の知的課題負荷は、日本脳高次機能障害学会の標準注意検査法より①聴覚性検査課題(ADT)と②PASATをテープで流して実施した。結果、朝食摂取日のMRI画像に非摂取日に比べて有意な脳賦活部位が存在した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、前年度に報告した近赤外線分光法(NIRS)による脳血流測定の際には、自律神経の作用も影響するものと思われ、脳血流測定と同時にHRVによる自律神経系のモニタリングも行う予定であった。本年度は、fMRIによる実験研究の解析等を行い、NIRSと自律神経系に関する研究実施は出来なかった。次年度に機器の購入及び実験・分析を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、朝食摂取及び非摂取による知的課題負荷時の自律神経系への影響についても検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画であった脳血流測定と一緒に自律神経系の評価は唾液によるストレス指標の評価のみである。HRV機器は購入していないため、その分が余剰金とされている。また、fMRIに関する被験者も当初の予定人数が少なく、5名であったため謝金等の発生が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度で自律神経系指標について、HRV機器の購入及び実験を行う予定である。
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