研究課題/領域番号 |
15K12372
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00329111)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 富士山頂 / 宇宙科学技術教育プログラム / フジサット / ガチャサット / ドローンサット |
研究実績の概要 |
フジサットの製作・運用においては昨年度の反省点を改善し、通信機能を、アマチュア無線ではなく、通信キャリアの通信機能を利用することにより、製作の負担を減らすことにした。その結果、フジサットの製作が簡易化し、測定機器は無事に8月に山頂に設置することができ夏季期間中の初期運用は旧測候所内において問題なく動作した。その後、太陽パネルとバッテリーのみの越冬モードとなったが、2017年3月上旬までは運用ができた。当初バッテリーは1年運用できる概算であったが半年程度でバッテリーがなくなった理由は明瞭ではない。次年度の回収データによってこの不具合はある程度明確になるかと思われる。2017年1月までの運用結果は論文として取りまとめた(新田ら、2017)。現時点での観測成果では、計測したガンマ線カウント数上昇と大気圧減少にはある程度相関がみられ計測そのものは信頼性があるものと判断した。 一方、フジサット研究の派生研究として行なったガチャサットであるが本年度に英文論文として取りまとめ投稿を行なった(東郷ら、投稿中)。本報告書の執筆時点では、査読者と複数回のやり取りを行っている段階である。なお、本ガチャサットプログラムは科学イベントなどで小学生などを対象に行える模擬衛星製作・運用体験プログラムである。 さらに、このフジサット研究は運用を中心においた教育研究であるが、計測機器はドローン観測にも適応できることからドローンサットという新規プロジェクトを初年度よりスタートさせており、現在機器開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
フジサットの長期間動作が想定より1年早く成功したことと、論文の出版も順調に行えているため。
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今後の研究の推進方策 |
フジサットの越冬できなかった理由の調査。フジサット本体に含まれるハイサンプリングデータの科学的解析。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していたより購入部品等に経費がかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
論文出版費、フジサットの回収とその調査、ドローンサットプロジェクトの実現に使用。
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