• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

科学技術ガバナンスの主体となるための市民リテラシーに関する大学教育プログラム

研究課題

研究課題/領域番号 15K12381
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 美紀  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90293729)

研究分担者 山口 悦司  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
伊藤 真之  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40213087)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード科学リテラシー / 科学技術ガバナンス
研究実績の概要

科学技術や環境に関する公共的な問題(SSI)に関わるリテラシーのうち,解決策の創出に焦点を当て,遺伝子医療技術を扱う科学技術の社会問題を対象にした測定課題を作成した。課題では,先行研究のレビュー結果を元に,具体的な個別状況を描写したシナリオを2本作成し,回答者自身の意見を明確にした上で,異なる立場を想定させ,解決策を記述させた。作成した課題を用いて,日本の大学生を対象にした調査を実施した。その際,先行研究に準じて,遺伝に関わる概念的知識を評価する課題を加えた。日本科学教育学会研究会では,大学生が記述した解決策について,アーギュメントの観点から分析した結果を発表した。具体的には,論証構造の複雑さとアーギュメントの多視点性の2つの指標で評価し,SSIについて多様な視点から思考することと,その結果を説得力の高い形式で表現することは,多くの大学生にとって難易度の高い課題であることを明らかにした。日本発達心理学会では,SSIに対する賛否が,解決に向けた思考とその表現方法に与える影響について検討した結果を発表した。また,解決策の創出に影響する要因の予備的な検討として,科学的アーギュメンテーションに対する認識論的理解を取り上げ,ライティングのアーギュメンテーションの相互評価場面の分析事例をもとに,学習者が認識論的理解の獲得するプロセスを解明し,その成果をthe 31th International Congress of Psychologyにおいて発表した。質問紙調査で測定した遺伝に関わる概念的知識と解決策創出との関連については,現在詳細な分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献等収集の結果,科学技術リテラシーの構成要素として複雑性・多視点性・現在進行形の探究・健全な懐疑主義という4点を含めることの教育効果が大きいことが判明した.科学技術ガバナンスの主体となるための市民リテラシーを育成する本研究の遂行上,本知見を踏まえると教育プログラムならびに分析フレームワークに関する理論的枠組みの見直しが必須なため,その理論的枠組みを変更した上で教育プログラムを改善し,分析フレームワークを精緻化した上で,実験授業を延長して実施する必要が生じた.

今後の研究の推進方策

科学技術ガバナンスの主体となるための市民リテラシーの理論的枠組みを修正・拡充した上で,教育プログラムの改善と,分析フレームワークの精緻化を行い,改めて実験授業を実施する。遺伝に関わる概念的知識と解決策創出との関連についての分析結果に基づき,必要に応じて,教育プログラムの精緻化を行う。

次年度使用額が生じた理由

文献等収集の結果,科学技術リテラシーの構成要素として複雑性・多視点性・現在進行形の探究・健全な懐疑主義という4点を含めることの教育効果が大きいことが判明した.本知見を踏まえると,科学技術ガバナンスの主体となるための市民リテラシーの教育プログラムならびに分析フレームワークに関する理論的枠組みの見直しが必須なため,その理論的枠組みを変更した上で教育プログラムを改善し,分析フレームワークを精緻化した上で,実験授業を延長して実施する必要が生じた.

次年度使用額の使用計画

科学技術ガバナンスの主体となるための市民リテラシーの理論的枠組みを修正・拡充した上で,教育プログラムの改善と,分析フレームワークの精緻化を行い,改めて実験授業を実施する。遺伝に関わる概念的知識と解決策創出との関連についての分析結果に基づき,必要に応じて,教育プログラムの精緻化を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 遺伝子医療技術を扱う科学技術の社会問題に対するアーギュメントの分析2016

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・山口悦司・稲垣成哲
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 31 ページ: 31-36

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 遺伝子医療技術を扱うジレンマ課題に対する大学生の論述2017

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・山口悦司
    • 学会等名
      日本発達心理学会第28回大会
    • 発表場所
      広島国際会議場ほか(広島県広島市)
    • 年月日
      2017-03-25 – 2017-03-27
  • [学会発表] Epistemic practice to improve elementary students’ construction of scientific arguments: A case analysis of the effects caused by commenting on peers’ arguments using epistemic criteria.2016

    • 著者名/発表者名
      Miki Sakamoto,M. & Yamaguchi,E.
    • 学会等名
      the 31th International Congress of Psychology
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-07-24 – 2016-07-29
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi