研究課題
科学教育は、新世紀の前後において子供中心的な学習観に基づく研究が拡大した一方で、急速な革新を遂げる自然科学の進展および科学像の変化から大きく乖離し始めている。本研究の目的は、これまで科学教育の調査対象として取り上げられたことが極めて希な、自然科学への言語論的アプローチとして、①科学学習を第二言語学習としてとらえ直し、②現代的で実践的な科学者による科学言語の使用や思考をモデル化し、③自然の事物現象や日常生活について、意図的に科学言語を有意味に使用することができる(サイエンス・ネイティヴ)人々を育む、幼年期からの科学教育の可能性を探ることを目的とした。平成 29 年度は,自然の事物現象や日常生活について,意図的に科学言語を有意義に使用することができる(サイエンス・ネイティヴな)人々を育む,幼年期からの科学教育の可能性を探ると共に,科学言語・表現・体験の教育可能性に関わる調査・分析からモデル化を行った。最新の第二言語習得に関する文献を多面的に再調査、分析し、認知的、社会的、言語学的、進化学的、教育学的に、第二言語習得の俗説を批判的に再検討し、第一言語獲得(母語獲得)も含めて、その学習可能性について整理し、幼年期からの科学教育の可能性を探った。それらの成果は日本理科教育学会全国大会、Annual Conference of the Pacific Early Childhood Education Research Association、Annual Conference of the European Early Childhood Education Research Association、日本化学会化学教育研究協議会東北大会で発表した。また、国内の幼稚園における先導的な事例調査を行い、科学言語・表現・体験の教育可能性に関して考察を行い、論文発表した。
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白百合女子大学初等教育学科紀要「保育・教育の実践と研究」
巻: 3 ページ: 11-18
香川短期大学紀要
巻: 45 ページ: 183-195
愛媛大学教育学部紀要
巻: 64 ページ: 95-103