研究課題/領域番号 |
15K12391
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
三次 徳二 大分大学, 教育学部, 教授 (10298127)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ジュニアセッション / 自然科学系学会 / 高等学校 / 科学系部活動 |
研究実績の概要 |
高等学校の科学系部活動や,授業における課題研究の成果を発表する機会は多くあり,主に学校教員が関わるものと,専門分野の研究者が中心になって関わるものとに大別できる。発表の機会を設定することの重要性は,多くの教員が経験的に感じているものだが,その効果についての研究は乏しい。そのため,本研究では自然科学系学会が主催するジュニアセッションに焦点を当て,①ジュニアセッションの定義を見いだすこと,②高校生が発表することの効果について明らかにすることを目指している。 平成29年度には,28年度に引き続き現状調査を行った。具体的には,28年度に収集した各種報告書(約200校あるスーパーサイエンスハイスクールの成果報告書の中から主な学校を抽出済み)を分析し,参加したジュニアセッションの事例について,ねらい,実施方法や場所,内容,参加者数(規模)についての調査を行い,共通点や他の発表の機会との相違点を中心に検討を行っている。また,参加可能な学会の調査を行ったが,自然災害のため中止になったものもあり,29年度で完結できなかった。そのため,訪問形式での情報収集については,途中段階である。 現時点でのとりまとめとしては,自然科学系学会の中でも,ジュニアセッションは教育関係者(現役の高等学校教諭や教員養成系大学,学部の教員など)を中心に運営されており,純粋に自然科学の研究者が運営している例は希である。また,スーパーサイエンスハイスクールについても,ジュニアセッションへの参加が非常に多い学校(年間20件を超える)と,ほとんど参加していない学校(3件以下)とがあり,学会等に接点を持つ教員の有無によって差が出ている。また,教員の専門分野に近い学会を選ぶ傾向があり,どの分野でもまんべんなく参加している学校は少ない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【研究実績】でも触れたとおり,ジュニアセッションの事例収集については自然災害による学会の中止等もあり完結できていない。ジュニアセッションは年に1回実施するのが通例であるため,1回中止されると次年度の同時期まで待たねばならない。また,平成30年2月6日提出の「補助事業期間延長承認申請書」に記載したとおり,研究代表者の育児休業の取得等により,研究の中断が生じている。そのため,当初の3年目の計画について実施の途上にあり,資料の分析についてはおおむね半年程度の遅延があるとみている。そのため,29年度については「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
自然災害のため,29年度に実施できなかったジュニアセッションの事例収集を今年度行う予定である。また,収集した資料の分析を行い,学校側のねらいを中心に分析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年2月6日提出の「補助事業期間延長承認申請書」に記したとおり,研究代表者の育児休業の取得等により,およそ平成29年4月から8月にかけて研究の中断があったため。また,自然災害の発生により,参加を予定していた学会の一部日程の中止があったため。 使用計画としては,学会への参加と高等学校への聞き取り調査が中心となる。
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