| 研究課題/領域番号 |
15K12398
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| 研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
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研究代表者 |
鈴木 真ノ介 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 准教授 (10369936)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | アクティブ・ラーニング / 電磁気学 / 工学教育 |
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| 研究実績の概要 |
電磁気学授業の理解力向上を目的とした本研究において，研究初年度である今年度は主に以下の２つの課題について取り組んだ．
１．アクティブ・ノートテイキング(A-nt)用配布資料の作成
ただ書き写すだけのノート取りではなく，理解しながら自分の言葉でまとめることを目的とした資料作りを行った．本手法により，筆記速度が遅い学生であっても，授業理解の時間を確保することが可能となる．当初は，教員の授業用ノートをベースに修正テープ等で虫食い状態にした白黒印刷資料を想定していたが，手書きでは図が不鮮明であることやメモ取りのスペースを十分に確保できないことから，授業内容の提示に用いるスライド資料を編集したものを織り交ぜた．初年度については第３学年の資料作成を予定しており，予定通りの範囲の資料を作成した．また，効果的なノート取りの定量的評価として，学生が書き込みを行った資料を回収し，スキャンすることで画像データとし，画像処理のソフトウェアを利用することで，学生の書き込み面積と色使いのヒストグラム化を行うことで，好成績の学生のノート取りの傾向をある程度つかむことができた．その成果を３月の電子情報通信学会総合大会にて発表した．
２．授業用スライドおよびアクティブ・イメージ(A-img) 用コンテンツの制作
本授業は教員の板書時間を減らし，学生間の巡回による質問受付時間を確保するために，スライド提示による授業を実施している．そのスライド内容は電磁気学における諸現象を，アニメーションを織り交ぜて説明できるものとなっている．今年度に関しては予定通り，静電界の範囲（授業回数：３０回分）を解説する資料を作成した．また，電磁気学は抽象的な内容を多く扱うことから，極力電気回路などの具体例を織り交ぜた内容となることを意識した．また，本スライド資料の一部は，高専機構が企画する教材コンテンツ開発収集プロジェクトにも提供した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初に申請した交付申請書に記載した内容をほぼ達成しているため，概ね順調に進んでいる．ただし，授業用スライドのコンテンツとして，実験動画やシミュレーションについては，アニメーションよりも理解しやすいコンテンツとならなかったため，コンテンツ内容としての採用を見送っている．その点は次年度のスライド内容の充実に再検討したうえで盛り込む予定である．
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は，初年度に作成した第３学年用の配布資料とスライド資料の修正・再検証を行うとともに，第４学年用の資料作成を行う．その際，前述したような前年度に不十分であったコンテンツ種類の効果的な導入についても検討する．
効果的なノート作成の指標づくりとして，昨年度実施した学生ノートのスキャン画像を，画像処理解析を行う手法を引き続き実施する．これまでは学生への配布をより簡単にするためにA3サイズでの配布を行い，また，資料回収のタイミングも毎回ではなかったため，サンプル数の確保が不十分であった．そこで，今年度はすべてA4両面の資料を授業終了毎に回収・スキャンすることで，スキャン精度の向上とサンプル数の増加を図り，より精度の高い解析を実施する．なお，対象学生を習熟度別の下位クラスのみとしていたが，成績上位者のサンプル解析も重要であることから，第３学年については，これまでどおり下位クラスを，第４学年については上位クラスを担当することで成績の偏りのないサンプル収集を試みる．
また，当年度からは，既存の教科書にデジタル端末による追加情報を付加することで，書籍内容の充実を図るアクティブ・テキスト(A-txt)用システムの開発に着手する．なお，A-txtにおいては，当初予定していたフリーソフトのアプリケーションが，提供側の都合により利用不可能となったため，独自開発をすること前年度中に検討し，ソフトウェア開発の技量を補うため，合同会社コベリンに協力依頼を行い，共同開発をすることにした．なお，当初はAndroidとiOSの両OSに対応させる予定であったが，ソフトウェアの動作安定性の観点から，iOSに絞って開発することにした．そのため，当初予定していなかった，ソフトウェアの開発とiOSによるプログラミング環境準備のための経費と必要とする．本経費については，配分予定額で十分対応可能である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
電磁気現象の実物モデル製作用に購入した３Ｄプリンタが予定していた金額よりも低額であったことと，今後の研究推進方策でも述べたとおり，A-txtシステムの開発に経費を必要とすることから，初年度での消化を控えた．
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| 次年度使用額の使用計画 |
前述のとおり，A-txtシステムのためのソフトウェア開発とプログラミング環境整備に用いる．おおよその見積金額も確定しており，前年度繰越分と次年度配分予定額で十分対応可能である．
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