研究課題/領域番号 |
15K12407
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
植野 真臣 電気通信大学, その他の研究科, 教授 (50262316)
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研究分担者 |
安藤 雅洋 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00345539)
宇都 雅輝 電気通信大学, その他の研究科, 助教 (10732571)
宮澤 芳光 東京学芸大学, その他部局等, 助教 (70726166)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 項目反応理論 / 足場かけ / eラーニング / 適応型テスト / eテスティング |
研究実績の概要 |
平成27年度は、項目反応理論を用いた適応的ヒント機能を持つ足場かけシステムのプロトタイプを開発した。本システムは、最初にヒントなしの課題を提示し、その正誤反応から項目反応理論を用いて学習者の能力を推定する。学習者が課題に誤答した場合、現在の能力推定値とヒント特性パラメータに基づき、ヒント提示後の予測正答確率が所望の値になるようなヒントをデータベースから選択し提示する。 本システムの開発にあたり、本年度は、ヒント提示後の予測正答確率をどの程度に設定したとき最も高い学習効果を示すか、さらに学習者の成績ごとにどの程度の正答確率の設定が有効であるかを被験者実験により評価した。この結果、予測正答確率が0.5の場合に最も学習効果が高いことが明らかになった。そこで、この実験結果を踏まえ、最適化した足場かけシステムを開発した。 これまでの研究成果は、人工知能と教育工学に関するトップカンファレンスであるInternational Conference on Artificial Intelligence in Education(AIED)にフルペーパとして採択されている。さらに、トップジャーナルであるIEEE Transactions on Learning Technology, Computer Societyに条件付き採録されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載した通り、平成27年度の研究計画に挙げた事項は計画通り完了している。したがって、「(2)おおむね順調に進展している。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、当初計画に従い、申請者が長年実践してきたeラーニングシステムSamuraiに、本提案の足場かけ機能を実装する。具体的には、Samurai上に蓄積された学習者へのヒント提示状況とヒント提示後の課題への正誤反応データから、ヒントに関するモデル・パラメータを推定し、推定されたパラメータ値を用いて、平成27 年度に完成させた足場かけシステムをSamuraiに実装する。 また、現在、IEEE Transactions on Learning Technology, Computer Societyに投稿し、条件付き採録となっている論文について採録を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費について、使用者が全員、平成27年度日本教育工学会全国大会(開催場:電気通信大学)の実行委員となって活動したので、地方での学会発表へ参加する機会が減ったため。 物品について、コンピュータおよび周辺機器の購入を予定していたが、平成27年度はシステム設計、アルゴリズム作成に取り組み、この段階では必要にならなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費について、次年度は地方での学会大会および研究会が多いが、積極的な研究発表、学会参加を計画している。 物品について、次年度はシステム構築の段階に入り、新たなコンピュータおよび周辺機器を購入する計画をしている。
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