研究課題/領域番号 |
15K12410
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
竹内 勇剛 静岡大学, 情報学部, 教授 (00333500)
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研究分担者 |
林 勇吾 立命館大学, 文学部, 准教授 (60437085)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自尊感情 / 自己効力感 / プログラミング / エージェント / インタラクション |
研究実績の概要 |
平成27年度は,研究計画にしたがって次の2課題に取り組んだ. (A)教室内での学生間のスキル習得を目的とした自由な活動の観察を通した学習インタラクションの分析と学生の行動のモデル化 (B)教授者が他者に教えることによって得られる報酬を最大限にする動機付けの方法の実装 課題(A)での観察をプログラミング学習のクラスを対象に行ったところ,個人単位で実習課題に取り組んでいる学生よりも,グループで情報交換をしながら実習課題に取り組んでいる学生の方が積極的に問題解決に取り組んでいることが明らかになった.またグループ内にスキル差があっても,高スキル者が低スキル者からの質問に厭わず回答していた.実際の課題の進捗状況や学習者の理解度においても,一般的にスキル差がある複数メンバーからなるグループ内の学習者の方が学習意欲も高く,かつ理解が促進していたことが示唆された. 課題(B)に関しては実験を行い,学生間の学習インタラクションにおいて学生が他者に「教える」という行動が対人的な関係の形成・維持に基づく動機ではなく,自己完結的な動機,すなわち“自分が他者から必要とされている感覚”や“自分の行動が他人やコミュニティのために役立っている感覚”に基づく動機によって生じていることを実証した. これらの成果を踏まえて平成28年度では,教授者が他者に教えることによって得られる報酬を最大限にする動機付けの方法を提供するシステムの実装に取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り進捗しており,期待している成果も得つつある.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に予定していた10万円の予算は,本研究のプロジェクトに関する旅費に用いる予定であった.具体的には,静岡大学への研究の打ち合わせと本研究の成果を行う際の学会発表の旅費に用いる予定であった.実際に利用した予算の39,160円は,静岡大学への研究の打ち合わせを二回行った.研究成果の発表は,連盟の著者として北海道(HI2016)と千葉(JCSS2016)でそれぞれ行われ,後者の千葉で開催された会議にのみ参加した.千葉で開催された学会旅費として残りの予算を用いる予定であったが,別研究に関する講演(野島賞受賞者講演)があり,この研究に関わる別の予算で旅費の執行を行った.このため,学会の旅費で予定していた残りの60,840円は,次年度に予定している研究成果発表の旅費に用いることとする.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の予算としては,旅費(打ち合わせ,学会)や本研究を遂行する上で必要となる物品(PC)の購入を予定している.今年度も昨年度と同様に研究の進捗に応じて研究発表を行うこと予定であり,昨年度の繰越し予算に関しては,その旅費に用いる予定である.現在では,発表先は未定であるが国内の学会・研究会(電子情報通信学会HCS研究会)や国際会議(HAI2016)などが発表先として考えられる.
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