研究課題/領域番号 |
15K12416
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冬野 美晴 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (30642681)
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研究分担者 |
山下 友子 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (10726334)
中島 祥好 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90127267)
齊藤 剛史 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (10379654)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コーパス / マルチモーダル / パブリックスピーキング / スピーチ / プレゼンテーション / 行動分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本人英語学習者が英語によるパブリックスピーキング(スピーチ・プレゼンテーション等) を行う際に、効果的なパフォーマンスを行うための音声およびジェスチャー上の条件を明らかにし指導に役立てるため、英語母語話者・英語学習者による英語スピーチアーカイブをデータベース(マルチモーダルコーパス) 化し、音声分析と2D・3D動作解析によって分析することである。 マルチモーダルコーパス研究においては、従来の分析は手作業によるアノテーションデータを用いて行われることが多く、定量的な分析は工学など他の学術分野で独立して行われることが多かった。本研究ではデータをテキスト分析、音声分析、動作解析の3視点から統合的に分析し、スピーチ・パフォーマンスについて定量的な指標を得た。 特に、音声分析ソフトウェアによるポーズの自動抽出や、機械学習を用いたモーショントラッキングによる顔向きおよび黒目位置推定を行い、結果をパフォーマンスの印象評価や発話の内容とクロス分析することで、評価の高い話者の特徴を抽出した。 主な結果の一部として、日本の高校で実施されたオフィシャルな英語スピーチ大会のパフォーマンスデータを用いて音声・動作・発話内容・審査員のパフォーマンス評価をクロス分析したところ、以下のことが示唆された。まず、評価の高い話者は音声ポーズの分布に共通した特徴が見られ、コンマ・ピリオドにおけるポーズ長の割合をコントロールしている。次に、アイコンタクトにおける顔向き動作のリズムと方向が安定しており、平均しておよそ何秒に1度向きを変えるか明らかになった。更に、アイコンタクト動作における顔向き動作と黒目の動きの間には高い相関は見られず、評価には顔向きの影響が強いことが示唆された。
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