研究課題/領域番号 |
15K12421
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (20204125)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヒューマノイド型ロボット / 言語技術 / 発話分析 |
研究実績の概要 |
スポーツ指導では慣習的用語やオノマトペが利用されてきたが,それらの意味することが被指導者には伝わらないケースが増加している.スポーツ指導者には,被指導者の年齢やレベルに応じて,被指導者に運動の仕方をわかりやすく説明するための言語技術(コミュニケーション技術と読書技術からなる)と,異音同義語表現力(例:“腰を落とす”は“お尻を外野に向けて”とも表現できる)が求められている.そこで,本研究では,言語技術教育のためのメディアとして欧米で利用されてきた「絵本やテキスト」に相当するメディアとして,ヒューマノイド型ロボットを利用し,スポーツ指導者に対して言語技術を教育する方法を研究する.また,ヒューマノイド型ロボットの動作観察と動作コード分析により異音同義語表現発見を支援する手法を研究する.
欧米では子供の言語技術教育において絵を利用した手法を用いる.この既存手法では,子供に絵を見せ,絵のテーマや絵に描かれていることを子供に分析させることで言語技術を向上させている.既存手法は絵の分析に教材として子供が興味を持ちやすい絵本を用いることが多い.そのため,既存手法は子供の言語技術向上に非常に有効である.しかしながら,絵本から得られる情報には限界がある.例えば,人の運動動作などの情報は絵本からでは得られない可能性がある.
2016年度は,絵本の代わりに言語技術教育の教材としてヒューマノイド型ロボットの動作を利用する.具体的には,人の運動動作をロボットで表現し,ロボット動作のテーマや動いている関節などを分析させることによって言語技術向上を試みた.既存手法と提案手法の効果を発話分析により比較した結果,言語技術教育の教材としてロボット動作を利用することの有効性を検証することができた.また,連続写真や動画などロボット動作を見せるメディアの違いによる効果の差も検証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
欧米では子供の言語技術教育において絵を利用した手法を用いる.この既存手法では,子供に絵を見せ,絵のテーマや絵に描かれていることを子供に分析させることで言語技術を向上させている.既存手法は絵の分析に教材として子供が興味を持ちやすい絵本を用いることが多い.そのため,既存手法は子供の言語技術向上に非常に有効である.しかしながら,絵本から得られる情報には限界がある.例えば,人の運動動作などの情報は絵本からでは得られない可能性がある.
平成28年度は,絵本の代わりに言語技術教育の教材としてヒューマノイド型ロボットの動作を利用することを提案した.具体的には,人の運動動作をロボットで表現し,ロボット動作のテーマや動いている関節などを分析させることによって言語技術向上を試みた.既存手法と提案手法の効果を発話分析により比較した結果,言語技術教育の教材としてロボット動作を利用することの有効性を検証することができた.また,連続写真や動画などロボット動作を見せるメディアの違いによる効果の差も検証した.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は本研究で提案する手法を検証するとともに研究をまとめる.具体的には次の3点である. A)提案手法のアウトプットの検証:提案手法のアウトプットである “レベルに合わせた表現”と“別表現”が動作習得ならびに動作改善に対して効果があるかどうかの検証 B)提案手法自体の検証:本研究はヒューマノイド型ロボットを利用することにより,指導者の言語力や表現力を改善することができるかどうかを検証する. C)教室への展開:本研究の応用として教室での活用へと展開していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
データ整理のために学生用アルバイト代を謝金として確保していたが,申請者自身で整理することができたから.
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次年度使用額の使用計画 |
これまでのデータも含めるとデータ量が膨大になるため,データ整理のために学生用アルバイト代を謝金として用いる.また研究成果を発表するための旅費に用いる.
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