研究課題/領域番号 |
15K12422
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
瀬田 和久 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50304051)
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研究分担者 |
京極 真 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50541611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 信念対立解明アプローチ / 異文化理解 |
研究実績の概要 |
異文化理解促進オントロジーの洗練:信念対立解明アプローチを基礎にして,自身の疑義の余地なき信念を一旦反故にし,異文化理解へ意識を向けること(理解態度の醸造)を促進する異文化理解促進オントロジーを洗練した.理論的基礎としている信念対立解明アプローチにおける「契機・志向相関性」の考えに基づいて,「何がきっかけにそのような関心を持つようになったのか?」「は意義のある道徳観はなんだろう?」といった問いとこれに答える自己内対話の活性化を促す問いを精緻化した.さらに,自身の文化的背景・価値感を絶対視せずに,疑義の余地なき信念を揺り崩し,相手のそれらとを相対化して捉えることを促す思考促進概念を精緻化した.
信念対立解明支援システムの開発:これまでに開発した思知LightをWebシステム化し,信念対立事例を蓄積する仕組みを組み入れた.これらは信念対立解明フレーム上に備えられオントロジーとして定義された問いとそれへの自己内対話のペアとなるよう構造化され,事例蓄積による教材データベースと活用できるよう思考促進概念にもとづく検索機能を備えた.
他ドメインへの展開による汎用性の確認:価値感,信念を異とする外国人とのコミュニケーション,異文化理解を対象とした自己内対話の鍛錬プロセスは,研究活動における批判的思考におけるそれと類型性を有することから,研究活動サイクル支援システムと連携させることで,知見の新しい分野への展開可能性について検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
異文化理解促進オントロジーおよびツールの洗練が当初計画通りに概ね進み,新しい領域への展開可能性についても良好な感触が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
オントロジー,ツールの洗練と,教育プログラムの一般化を進め有用性を高めたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
新しい独自の着想が生まれ,それを機能として新たに情報システムに組み入れたることに取り組んだ.これに伴い,追加の実験を精緻に行うことが必要になった.このため,システムを使用した教育プログラムの実践評価と成果報告を次年度に行うこととしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
実験実施のための謝金及び成果報告のための出張経費に充てる
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