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2015 年度 実施状況報告書

共通教育情報メタデータによる学習ビックデータの論理的統合と利活用システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K12424
研究機関放送大学

研究代表者

加藤 浩  放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)

研究分担者 森本 容介  放送大学, 教養学部, 准教授 (00435702)
松田 岳士  首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (90406835)
渡辺 雄貴  東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (50570090)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード教育工学 / Learning Analytics / 教育支援システム / メタデータ / ビッグデータ
研究実績の概要

平成27年度は、教育現場のニーズの把握および、システムの構築のための基礎技術およびその技術確認のための予備システムの構築を行ない、具体的に以下の点が明らかになった。
教育支援システムの指導情報提供に関するニーズ調査に関しては、予備調査の結果、LAK的なシステムに対して一般の理解が普及していなため明確な回答は得られなかった。そのため、実システムで利用する教材をプログラミング教育に絞って、この分野の過去のシステム動向、現状の教育状況を分析することにより、システム・ニーズの整理を行った。
学習履歴を含めた教育情報メタデータの設計については、国際的な標準であるxAPIとCaliperの調査を行った。両者ともに最終的な定量的な成績を記録するのには向いているが、相互評価などを含めた質的評価の記録には現状の仕様では不十分であり、そのため、中間的な学習履歴として、特にデータの構造化をしないで、生データに近いテキストで表現することとした。また、教育情報メタデータについてはNOSQLデータベースの発達により、変更・追加・検索高速化が可能になったためドキュメント型NOSQLデータベースを使用することで汎用性が保証されると考えた。
モジュール構成の設計とフレームワークの開発については、上記、想定ニーズをもとにシステム設計を行った。また、SNSのテキストベースで学習進捗などを行う予備システム開発を行うとともに、テキストマイニングの手法であるトピック分析などの実装について確認した。
学習履歴分析エンジンと指導介入エンジンの調査については、海外の事例を調査した、特に英国のOpen UniversityでLAKシステムの開発・利用が進んでいて、従来の学習時間や成績だけでなく、むしろ課題の提出の有無や補助教材の利用などの補助系列的な学習活動も実際の履歴分析において重要な意味を持つことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度の研究実施計画では具体的な成果として学習履歴を含めた教育情報メタデータ、モデルシステムのモジュール構成の設計とフレームワークの開発であった。前述したように、最新動向の調査を行い、個々の実装技術を確認するとともに、それらを一部統合した学習進捗を対象としたプロトタイプシステムの構築も行った。現在はプログラミング教育用の個別適応型のLAKシステムの設計も終了している。
そして、初年度の調査等からシステム自体が教育情報や学習履歴をビッグデータとして扱う方針としたが、それらを処理するテキストマイニングの技術的な確認も行った。
また、実証実験を行うためシステムで利用する学習情報である学習目標の整理と教材の開発もほぼ完了している状態である。学習履歴としては、主に学習成果であるプログラムそのものと、学習者のe-ポートフォリオ、指導者の日々の評価コメントを利用する予定であるが、現在プログラム自体を自動評価するモジュールの開発がほぼ終了している。

今後の研究の推進方策

平成28年度は研究実施計画にあるように実証実験が可能なプロトタイプの構築を主な活動とする。はじめは、学習履歴分析と指導介入を行うための、学習履歴情報を目的とした運用を行い、その後、収集した情報をもとに、適切な指導介入を行うためのエンジンの構築を行う、二段階の作業を予定している。なお、ユーザビリティに関しては対象とする学習者が小学生になるため、ゲーミィフィケーション的要素を取り入れてユーザインターフェースを設計、開発する予定である。

次年度使用額が生じた理由

国際会議LAKに参加し、発表する予定で海外旅費を計上していたが、発表が不採録となったために参加しなかったので、旅費が余った。

次年度使用額の使用計画

今年度は追加開発と成果発表のための海外出張で使用する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Providing What Students Need to Know: A Student Dashboard2016

    • 著者名/発表者名
      T. Matsuda, Y. Watanabe, K. Shigeta and H. Kato
    • 学会等名
      Association for Institutional Research Annual Forum 2016, in printing
    • 発表場所
      New Orleans(U.S.A)
    • 年月日
      2016-05-31 – 2016-06-03
    • 国際学会
  • [学会発表] 教学IR担当者はどのような指標を扱うのか2016

    • 著者名/発表者名
      松田岳士
    • 学会等名
      第22回大学教育研究フォーラム発表論文集 P.31
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 年月日
      2016-03-17 – 2016-03-18
    • 招待講演
  • [学会発表] Time-of-Day Analysis of Learning Actions in Workplace E-Learning2016

    • 著者名/発表者名
      Iori Sugiyama, Yuki Watanabe, Hiroshi Kato, Akinori Nishihara
    • 学会等名
      10th International Technology, Education and Development Conference Proceedings, pp.2781-2788
    • 発表場所
      Hotel Melia Valencia(スペイン,バレンシア)
    • 年月日
      2016-03-07 – 2016-03-09
    • 国際学会
  • [学会発表] 初中等教育のプログラミング教育支援システムのデザインの検討2016

    • 著者名/発表者名
      太田剛, 森本容介, 加藤浩
    • 学会等名
      日本教育工学会 研究報告集 16-1 561-567
    • 発表場所
      香川大学(香川県)
    • 年月日
      2016-03-05
  • [学会発表] Moodle上での活動をExperience APIで表現する手法の検討2016

    • 著者名/発表者名
      森本容介, 古川雅子, 山地一禎
    • 学会等名
      教育システム情報学会研究報告, Vol.30, No.5, pp.99-106
    • 発表場所
      関西大学(大阪市)
    • 年月日
      2016-01-30
  • [学会発表] SNSとハッシュタグを中核にした学習支援システムの基本仕様と試作2015

    • 著者名/発表者名
      太田剛, 森本容介, 加藤浩
    • 学会等名
      教育システム情報学会研究報告 30(4), 59-64
    • 発表場所
      岩手県立大学(岩手県)
    • 年月日
      2015-11-21
  • [学会発表] The Relationship among Self-regulated Learning, Procrastination, and Learning Behaviors in Blended Learning Environments2015

    • 著者名/発表者名
      Masanori Yamada, Yoshiko Goda, Takeshi Matsuda, Hiroshi Kato, Hiroyuki Miyaagwa
    • 学会等名
      IADISProceedings of the 12th Cognition and Exploratory Learning in Digital Age 2015(CELDA 2015), pp.67-74
    • 発表場所
      Maynooth(Greater Dublin, Ireland)
    • 年月日
      2015-10-24 – 2015-10-26
    • 国際学会
  • [学会発表] Learning Actions Analysis of Working Adults in Workplace e-Learning2015

    • 著者名/発表者名
      Iori Sugiyama, Yuki Watanebe, Hiroshi Kato, Akinori Nishihara
    • 学会等名
      Proceedings of E-Learn: World Conference on E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, and Higher Education 2015 pp.946-954
    • 発表場所
      ワイコロア ビーチ マリオット リゾート & スパ(アメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島)
    • 年月日
      2015-10-19 – 2015-10-22
    • 国際学会
  • [学会発表] Facebookの会話を中核とした学習管理・支援システムの試作2015

    • 著者名/発表者名
      太田剛, 森本容介, 加藤浩
    • 学会等名
      日本教育工学会 大会講演論文集 第31回 223-224
    • 発表場所
      電気通信大学(東京都)
    • 年月日
      2015-09-21 – 2015-09-23
  • [学会発表] 企業内e ラーニングにおけるコース要素と学習ログ数の相関分析2015

    • 著者名/発表者名
      杉山いおり, 渡辺雄貴, 西原明法
    • 学会等名
      日本教育工学会第31回全国大会講演論文集 pp.859-860
    • 発表場所
      電気通信大学(東京都)
    • 年月日
      2015-09-21 – 2015-09-23
  • [学会発表] トピックを分類単位とする情報教育のカリキュラム構造の考察2015

    • 著者名/発表者名
      太田剛, 森本容介, 加藤浩
    • 学会等名
      日本情報科教育学会(JAEIS)第8回全国大会講演論文集 35-36
    • 発表場所
      山口大学(山口県)
    • 年月日
      2015-06-27 – 2015-06-28
  • [図書] データに基づいた教育改善IR、村上正行・田口真奈編教育工学研究による 高等教育の改善2016

    • 著者名/発表者名
      松田岳士
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2017-01-06  

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