今後の研究の推進方策 |
平成27年度に設計した課題の学習効果を,試作した支援システムを用いて実験的に検証する.課題の例題には,筆算の引き算を用いる.人間が筆算の引き算を行う思考過程の計算機モデルは先行研究において使用された例がある[1,2]ため,これを例題のモデルとして採用する. 実験検証ののちは,支援システムの改良も行う.モデルの具体化を行うことの意義は,モデルの動作を通じたフィードバックを受けることにあるため,より効果的なフィードバックを学習者に与える方法についても,実験検証において検討する.また,教員による例題のオーサリングの手法についても検討し,試作した支援システムを実用化するための知見を得る. [1] Brown, J. S. and Burton, R. R.: Diagnostic Models for Procedural Bugs in Basic Mathematical Skills, Cognitive Science, Vol. 2, No. 2, pp. 155-192 (1978) [2] 神崎奈奈, 三輪和久, 寺井仁, 小島一晃, 中池竜一, 森田純哉, 齋藤ひとみ: 認知モデル作成による認知情報処理の理解を促す大学授業の実践と評価, 人工知能学会論文誌, Vol. 30, No. 3, pp. 536-546 (2015)
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