本研究の目的は、ペンタブレットとPCディスプレイ上部に取り付けられたカメラを使って筆記・顔・姿勢情報を取得し、eテスティングが実施されている間の時間全てを本人かどうかを認証するための方法論の開発であり、平成29年度は最終年度として、平成27年度の姿勢変化と顔認証に及ぼす影響の分析、顔情報の時系列変化の分析、及び平成28年度の姿勢変化に頑健な顔認証方法、顔情報をeテスティング中に逐次更新する方法の開発を踏まえて、これに筆記情報を加える方法論の開発に取り組んだ。平成29年度の実績は以下のとおりである。 (1)円弧パターンを用いた字画分割法の開発した。これまでに開発した字画分割法は、1つの文字を始筆、送筆、終筆の3つとその方向性を8つに分割して認証していたが、円弧パターン法の適用により、精度を高めることができた。 (2)eラーニングシステムで学習中に得られた顔画像をeテスティング中の顔認証で利用する方法論を開発した。 (3)(1)(2)の顔認証と筆記認証を組み合わせてeテスティング中の全ての時間を認証することができた。 (4)これまでの研究は、筆記認証については全てペンタブレットを利用してきたが、平成29年度はそれらを全てタブレットPCへの直接記入によっても高い精度が得られることを確認できた。 平成29年度は、査読あり論文1報、査読あり国際学会プロシーディングス(兼国際学会発表)1報、査読なし論文3報、国内学会発表4報を研究成果として発表した。
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