研究課題/領域番号 |
15K12429
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
大倉 孝昭 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50223772)
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研究分担者 |
小山 敏子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20352974)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 英語映画 / メディアの活用 / 英語字幕 / 視線計測 / 上級者モデル |
研究実績の概要 |
本年度は,視線計測実験(1度で一定の成果を得られるような実験デザインが必要)でのリスクを減らすための準備に時間がかかってしまった. 本実験では,1)視覚刺激として市販の映画ビデオ(英語字幕の表示・非表示が切り替えられるもの)を用いる 2)被験者の嗜好に左右され難くストーリーが分かり易い作品が必要 3)1~2分程度のシーンで「全体の中での位置づけ」が明確なもの を選定しなければならない.実験に用いるのはわずか1~2分のため,その映画に関する被験者の予備知識が全くない場合は,視聴への動機づけが低くなり,英語の聞き取り・字幕の読み取りに影響を及ぼすと考えられる.一方,あまりポピュラーなものの場合には,被験者が視聴済みである可能性も高い.候補作品は4本に絞られ,シーンの選択をしている. 一方,視線計測装置の特性(ワークステーションに大きな負荷がかかる)により当該WSでDVDを再生・視聴(フルサイズ)するのは困難である.そのため,DVDを別のPCで再生し,その画像をWSの画面に映す方法の検討を行った.DVDの画像ファイルを抽出することは違法となるため,Lanを経由し遠隔でDVDドライブを動作させる方式とした. 以上の検討により,ようやく市販の映画の一シーンを視聴する際の被験者の視線計測が可能な状態が実現された. 本年度は英語スキルの高い被験者を公募して,字幕を提示した場合としない場合の視線計測実験結果を分析・比較し,上級者と初級者の視線の動きをモデル化する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
被験者に映画を見せて眼球運動の記録をとるのは,1視覚刺激素材について,1度だけである.一旦映画を見せると記憶が残り,2度目は同じように比較できない. また,別の研究で取得予定であったゴーグル型の最新型装置が入手できなくなった.当初は,ハードウェアだけを購入すれば,ソフトウェアは旧式のものでも一定の分析が可能だと考えていた.しかし,旧式のままでは十分な解析ができないことがわかり,ソフトウェアも新規購入する必要がでてきて,予算不足となった.そこで,旧型の視線計測装置を使った装置を用いることになり,DVD再生と視線計測を別々にする必要が出てきた.こうした理由から,映画のシーンの選定と旧型の視線計測装置を余裕を持って動作させるためのシステムの検証に手間取ってしまった.
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今後の研究の推進方策 |
現在,映画シーンの選定は完了した.また,ローカルなネットワーク環境で,DVD再生装置を別のPCから遠隔操作可能なシステムを構築できたので,DVD再生装置の画像信号と音声信号をネットワーク経由で視線計測装置のWebブラウザ画面に表示し,その画面(Webページ)を被験者が視聴してもらい,視線の動きを記録する.研究室でのテストでは,コマ落ちなく記録がとれているので,実際の実験もスムーズに行うことができると考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅延している理由にも書いたように,大きな原因は,新しい視線計測装置の購入を断念したことにある.ゴーグル型の計測装置であれば,DVD(BD)映画の再生・表示と眼球の動きを記録する機能を分離するのは容易であるが,そのためのハードウェアとソフトウェアの両方を新規購入するためには足りなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は,実験を行い,データを分析して,学会発表や論文投稿を積極的に行う.
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