モルタルは、大気中のCO2を吸収してCaCO3を形成して固化する。固化の際に吸収された炭素が14C年代測定に用いられる。本研究では、市販のモルタルを、使用前後で、炭素含有率と14C濃度を測定し、使用後に増えた炭素が大気中の炭素を固定したものであり、モルタルの炭素を用いて、モルタル使用年を推定できることを示した。建築材などのモルタル32個の試料について14C年代を測定し、関連する木片の14C年代と比較した結果、モルタルの炭素は木片に比べて系統的に古い年代を示した。モルタル使用時に、古い炭素が残留しており、モルタルの14C年代が実際より古く得られる事が明らかとなった。
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