研究課題/領域番号 |
15K12449
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
宮尾 亨 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (90245655)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 博物館収蔵資料 / 一次資料 / 二次資料 / 三次資料 / マンガ / 検定教科書 / 商業出版物 |
研究実績の概要 |
博物館収蔵資料のうち、実物の一次資料と、複製、写真、図面などの二次資料に分類されることが一般的である。本研究では、歴史博物館における一次資料の派生物としての二次資料の多寡、あるいは二次資料の利用頻度として、学術刊行物以外の印刷刊行物その他の派生製作媒体を、博物館三次資料と概念化し、その利用件数を指標として、地域アイデンティティ形成への寄与度を測定する。そのための事例研究として、平成28年度は、前年度に引き続き、博物館収蔵資料、主に考古資料が大衆消費文化の典型として指標にあげた商業出版物マンガの中に登場する事例の集成を行った。合わせて、大衆消費文化に対比として、公的な出版物と位置付けられ得る学校教育における検定教科書に登場する、博物館収蔵資料、主に考古資料の事例の集成を行った。また、商業出版物のうち、学術書および関連書についてもあわせて事例の集成を進めた。これらの事例集成とともに、マンガや検定教科書に登場する考古資料の収蔵博物館の学芸員の一部に対して、使用申請や掲載実績の把握の有無を照会した。人文系、とりわけ歴史博物館収蔵の一次資料の多くは、標本として1点1点に固有の意義があり、展示等の手段で公開することで、それらの資料の有する意義をひろく周知できる。しかし、多くの場合に資料保存の観点から公開を制限せざるを得ず、資料公開の代替として出版物のような複製物の中で、二次資料の果たす役割は極めて大きい。これまでの調査では、マンガ等の大衆消費文化を構成する出版物に図像化された博物館収蔵資料は、博物館の展示を介してスケッチされたわけではなく、学校教育における検定教科書、学術書および関連の商業出版物に掲載れた二次資料を介していることがほぼ判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
博物館収蔵資料について、その周知を図る媒体として商業出版部を三次資料と概念化して、その利用件数を指標として、地域アイデンティティ形成への寄与度を測定する。そのために、資料集成を計画どおり進捗している。集成している資料から、具体的な寄与度の測定するために、それらをまとめるデータベースの設計を進めた。 最終年度、計画どおり、資料集成を進めながら、平成28年度に設計したデータベースについて、博物館収蔵の一次資料と二次資料と、その波及効果の指標となる三次資料と概念化した各種商業出版物の項目間の関連付けの調整を行い、博物館収蔵資料の活用と波及効果の測定に寄与するようにできると考える。
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今後の研究の推進方策 |
計画どおり、博物館収蔵資料、特に考古資料の商業出版物での利用状況調査を進める。特にこれまで、利用実績に加わっていないマンガ内で図像化された資料の集成に努める。合わせて出版物以外についても、データベースに登録しながら、博物館収蔵の一次資料と二次資料と、その波及効果の指標となる三次資料と概念化した各種商業出版物の項目間の関連付けの調整を行い、博物館収蔵資料の活用と波及効果の測定に寄与する。
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