研究実績の概要 |
本研究は,山岳国立公園における協働型登山道維持管理に関わる問題点の解明とその解決への方策を探り,持続的な協働型登山道維持管理のプラットフォームを構築することを目的とするもので,最終年度であるH29年度には以下の調査を行った。 昨年に黒岳石室・旭岳ロープウェイ駅において実施した,登山道に関する「大雪山グレード」やジオパーク(期待するジオ資源)に関するアンケート調査結果の解析を行った。その結果,いまだに「大雪山グレード」の認知度が低いことが明らかになった。また,今年は,黒岳野営指定地においても利用者に対してアンケート調査を実施し,野営指定地と登山道の維持管理の関係について分析した。 ドローン(UAV)を用いた登山道の3次元荒廃調査を継続するとともに侵食速度と利用者数との対比を行った。一方で,従来からの2次元計測も継続し,最長で29年間に及ぶ登山道侵食量データを得ることができた。 H29年4月には,初年度から継続してきた英語地図Asahi-dake, Heart of Daisetsuzan National Parkの出版を行い(北海道新聞が2017年4月27日,出版の紹介記事を掲載した),さらに,登山道区分「大雪山グレード」と海外のいくつかの類似の登山道区分との比較を行った。 H29年4月にオーストリアで開催されたRGU欧州地形学連合大会において,共同セッションを開催した。H30年3月に,2件の修士論文研究を北海道大学に提出し(張 暁露およびSun, D.),さらに1件の博士論文研究が進行中である。
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