本研究では,乾燥・半乾燥地に住む遊牧民が使いやすい「水位があまり深くなく水量の十分な浅井戸」を増やすことを目的に,測定が容易な地下流水音を用いた浅層地下水探査技術の開発を行った。その結果,以下の3点が明らかになった。1.地下流水音の音圧が検出限界と同程度の場合,その地点には地下水資源は存在しないと判断可能である。2.半乾燥地においても,地下水が賦存し微少な地下水流動が発生しているならば,地下流水音により高い精度で地下水位を推定可能である。3.地中に地下水の水みちがある場合,周囲の地下流水音との不連続が生じ,断層等の地質構造が判断できる。
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